ゲームミュージック 第六十七回 

「ゲームサウンドコレクション6 蒼穹紅蓮隊」

★「ゲームサウンドコレクション6 蒼穹紅蓮隊」
 (CD)(40分48秒)(おまけのシールつき)
 (MEM RECORDS \2000(税込) VOCR-5018/96.12.18)

 『蒼穹紅蓮隊(そうきゅうぐれんたい)』は、アーケー
 ドのシューティング(EIGHTING/RAIZING 1996)。

 サターン版『蒼穹紅蓮隊』(EAV)は'97 2/7発売。
 サターン版『蒼穹紅蓮隊 御徳用』(EAV)は
 '97 12/18発売。
 プレイステーション版『蒼穹紅蓮隊・黄武出撃』
 (データイースト)は'97 12/25発売。


01 紅蓮隊絵巻〜オープニング〜タイトルデモ
 行進の始まり。

02 個性選択〜自機選択
 “個性”って表現が面白い。コイン投入、どれにするか
 考える。こいつにしよっかなぁ……やっぱ、こっち。

03 点火発進射出〜自機発進デモ
 エマージェンシィ。発進の時が来る。何かがうまれでる
 前の、エネルギーの凝縮。

04 大田区上空〜1面/東京上空ステージ
 03の曲から、すぐに続けて始まる。力が満ちあふれる。
 高音のメロディ部分がとてもきれい。
 このゲーム、私はプレイしたことないけど、サウンドノ
 ーツにもある通り、“硬派! 男のシューティング”っ
 て感じ(難易度高そう(笑)。“難易度は「バトルガレッ
 ガ」より低めな設定”と書かれてるけど、そのバトルガ
 レッガはよほど難しいゲームなのではないかと私はみた
 (笑)。なにせ昔、ゲームセンターで『疾風魔法大作戦』
 をプレイしてみて「きょえ〜☆」な思いをした私である
 からして(笑)。難易度ってのは実際にプレイしてみない
 と実感できないものだけど、甘くはないというのは伝わ
 ってくる)。
 ゲームタイトル&曲タイトルはすべて漢字で統一。個性
 的。読みにくくて難しい漢字もあえて使用してるから、
 なおカタい(笑)(『マジカルチェイス』は女の子のシュ
 ーティング。別に男性がプレイしても大丈夫だけど)。
 この透き通る音の部分は、“出撃する男性パイロットの
 周りを、女の子の妖精が翔んで支援してる”ようなイメ
 ージ。

05 黒瞥登場〜1面ボス:全翼型爆装機「黒瞥(コクベツ)」
 下降して、ギリギリのところで持ち直し、安定を保つ。
 操縦かんを、しっかり握って離さない。

06 衛星軌道上〜2面/軌道上ステージ
 流れにのって進む。

07 深閃之巻〜2面ボス:対宙対地上攻撃衛星「深閃(シンセン)」
 ついてまわる低く重い音は、パイロットにかかるプレッ
 シャー。

08 雲海降下〜3面/峡谷ステージ
 作戦実行の時。降下の効果音。

09 疾風呑竜〜3面ボス:大型戦術格闘攻撃機「呑竜(ドンリュウ)」
 格闘……体当たりって感じがするな。
 太く荒々しい音は攻撃力の高さ。

10 暗礁宙域〜4面/暗礁宙域ステージ
 永遠に続くかと思われる空間を行く。

11 突撃秋嵩君〜4面ボス:汎用戦術戦闘宇宙機「秋嵩(アキタカ)」
 上昇していく力。

12 極寒油田基地〜5面/海上油田ステージ
 白い鳥の鳴き声が聞こえる。

13 海鳳回転〜5面ボス:極地戦略輸送攻撃機「海鳳(カイホウ)」
 音が反響する空間へ、グリグリとネジこんでいく。

14 火星突入〜6面/火星突入ステージ
 さーあ。ガンガンいくぜ!

15 地表弾壁〜6面中ボス
 音がブ厚くなった。手ごわいか。

16 火薬庫曝懺〜6面ボス:高高度中継滞空攻撃機「曝懺(バクザン)」
 危険がひそむ。

17 黒瞥再見〜6面ボスその2:全翼型爆装機「黒瞥改」
 05の曲と似てる(というか、同じ?)。

18 大団円引退序幕〜エンディング〜スタッフロール
 緊迫した曲ばかり続いたから、ちょっとホッとする。

19 葬式紅蓮隊〜ゲームオーバー
 短い曲。

20 高額所得隊〜ランキング/ネーム入力
 成果を積みあげる。
 高額所得って(笑)−−ハイスコア−−長者番付表みたい
 なもんか。


 何面の曲か、ということがきちんと記載されているので、
 ゲームをプレイしたことのない人でも、全体のイメージ
 がつかみやすい(でもちょっとネタばれかも?)。漢字
 は読みにくいけど(笑)、もともとシューティングは言葉
 の要らない世界だから(仲間同士で通信してるうちは、
 まだ余裕があるってことだ。本当のドッグファイトにな
 ったら、セリフ吐いてるヒマはない。あれこれ思考なん
 かしてたら撃墜される。直感で動かなくちゃいけない)、
 字面の雰囲気が伝わればそれで充分。
 「黒瞥(コクベツ)」ってのは、ケースからCDを取りだ
 すと出てくる絵の、コイツか? 月(?)をバックにして
 黒いシルエット。カッチョイイけど不気味。ぼんやりと
 一部が光ってるのは、生命反応の証。

 『伝説のオウガバトル』『ファイナルファンタジータク
 ティクス』等の作曲に参加した崎元仁さんの曲−−って
 ことが頭にあると、結構イメージが違うように感じるけ
 ど、ところどころに「あ、オウガ系っぽい」と思わせる
 箇所が出てくる(06・08・14とか)。
 これでもか、これでもかと、力強く音をたたきつける。
 早弾き。自信を持って音を展開させる。透明な音の部分
 がすごくキレイ。……なのが、この人の特徴かな?

 漢字で構成された機体名は、昭和の戦争時代の雰囲気を
 かもしだしている。
 私の祖父(父の父)は、20才ちょっとという若さで戦死
 した(祖父が私よりも“若い”というのは何か妙な感覚
 だ)。敵前へ突っ込んでいき、目を撃たれて負傷したに
 もかかわらず、仲間が引き返せと言ったにもかかわらず
 そのまま突撃して討ち死にしたという、ボロボロになっ
 た当時の新聞記事を、前に父に見せてもらった。新聞は、
 祖父を英雄だとほめたたえていた。そういう時代だった
 のだ。祖父は勇敢であったかもしれないが、死んでしま
 っては何もならないと思う(しかし、そういう無鉄砲な
 血を私は受け継いでいるのだろうな)。
 人々のいのちを奪う戦争は嫌いだが、当時の日本軍が持
 っていた独特のカラーは、今の私たちの魂にも訴える何
 かを内包しているような気がする。

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