254.
キングスフィールド
RPG
プレイステーション
1994.12.16
フロム・ソフトウェア
陰気で薄暗く、不気味なものばかりが点在する、陽の当たらないダンジョンが舞台の3DダンジョンRPG。
まず試しに△ボタンを押してみる。すると、右後方から敵が来襲! ……と思いきや、それは自分が繰り出した剣なのであった。次は□ボタンを押してみると、魔法の弾を発射した。しまった。いきなりMPを2ポイント無駄に消費してしまった。剣をふるスピードは、ちょっと遅い。あまり腕のたつ剣士ではないのかもしれない。
移動は、グラグラと揺れながら動く。リアルなのだろうが、どちらかというと歩いているというよりは、デコボコの道を滑車で進んでいるという感じの足どり。主人公は酔っぱらっているのであろうか。それともあまりに怖い雰囲気なので、もう失神しそうになってフラフラなのだろうか。
あちこちに誰かの死体が転がっている。死臭が匂ってきそうだ(もしかして主人公は、あまりの腐臭に神経をやられて平衡感覚をなくしてしまったのかもしれない)。グラつく視点と重いグラフィックに輪をかけて暗さを加えているのが、陰鬱な音楽。ますます気分が重く暗〜くなる。敵が近づいてくると、不気味な音まで聞こえてくる。
じっと画面を見つめていると気分が悪くなってくるので、長時間の連続プレイはしない方がよさそう。ゲームソフトの説明書には、よく「長時間の連続プレイを避け、1時間ごとに休憩をとること」なんて注意書きが書かれている。あれを見るたび、「私は別に何時間もぶっ続けで遊んでたって平気だけどなぁ」と思うのだが、このゲームは別だ。10分も連続してやっていたら頭がクラクラしてくる。なにしろ私は“回転”に弱い体質なのである。遊園地の“コーヒーカップ”というグルグル回る乗り物や、公園にある回転遊具などが苦手で、1〜2回まわっただけで気分が悪くなり、3秒間は立ち上がれなくなってしまう。出来るだけ画面を直視しないようにして進むしかないが、それではゲームにならない。
敵をどうやって倒すのかがよくわからない。懸命に剣をふりまわすが、当たっているのかいないのか(こちらが攻撃を受けると画面が赤くなるのでわかるのだが)。説明書に肝心なことが書かれていない。「POWER」ゲージの意味は? どうやって攻撃するのか? 魔法の照準が合わないぞ。定期的な回復はどうやってやるんだ? ゲームをやっていれば理解できてくるのかというと、そうでもない。戦闘のコツがつかみづらい。装備するとどれくらいステータス値が変わるのかが装備時にわからないのも不便。ステータス画面でいちいち確認しなくてはならない。ゲームオーバーになったら一番最初の画面に戻ってしまうのは何とかしてくれ。いちいちロードしなくちゃなんない。最新データですぐに再開したい。
システム自体はシンプルで使いやすく出来ている。アイテムを選ぶと絵が回転して表示されるのが楽しい。しかし結局、序盤で挫折した。続編も出ているが、プレイすることはないだろうと思った。ここまで自分に合わなかったRPGは珍しい……。
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