『京都龍の寺殺人事件』

 作家の故・山村美紗さん原作の、推理アドベンチャー。
私はこのゲームを発売日の前日に買った(たまに、新作
ソフトがひと足早く店に出ていることがある。発売日前
にソフトを買うことを、フライング購入という)。で、
夜通しプレイしていたら翌朝にはクリアできてしまった。
「なんだ。手ごたえがないな」と拍子抜けしつつ、さっ
さと売却することに決定。買った店では中古を扱ってい
なかったので、他の店へ持っていく。すると、その店の
おじさん(店長さん?)が、めずらしく話しかけてきた。

「このゲーム、面白かった?」

 ……いきなり質問されて、ちょっと返答に困る。どう
して今日に限って、そんなこと聞くんだろ? ゲームは
平均的な出来だったので、とりあえず、
「はぁ、まぁまぁでした」
 と答える。そして代金を受け取って店を出、そのまま
しばらく自転車に乗って走っていてハタと気づいた。
(待てよ。あのソフト、今日が発売日なんだよな。発売
日に売りにきたら、当然おかしいと思われる……)

 ち、違うんだぁー! それは、昨日フライングで
買って、徹夜でクリアしたんだぁー! 別にどこか
から盗んできたわけじゃないぞ!

 戻って説明しようかと思ったが今更そんなことを言っ
てもしょうがない。う〜む。売るのは、2〜3日たって
からにすべきだった(笑)。

   →1987年12月