『ドラゴンクエストVI〜幻の大地』(感想)

発売日 1995年12月9日
定価 11400円
メーカー エニックス
内容  超有名コマンドRPGシリーズ第六弾。


注:ネタばれの感想です。
 クリアしたのは’95年の12/25(クリスマス)。ゆっくり自力で解いて
ましたので、半月くらいかかりました。パ−ティレベルは以下。

主人公(かずみ) Lv:41[せかいのゆうしゃ]
ハッサン     Lv:41[グリーンドラゴン]
ミレーユ     Lv:40[ウィザード]
チャモロ     Lv:40[アニマルマスター]
アモス      Lv:38[まじゅつし]
テリー      Lv:37[しんかん]
バーバラ     Lv:40[ウィザード]
モコモン     Lv:34[だいそうじょう]

 評価表をつけてみるなら、シナリオ3、難易度4、キャラクター2、グラフィッ
ク4、ミュージック3、操作性3、総合評価4、ってところ。(謎解きでは一度も
いきづまりませんでしたが手ごたえがあって、一部ボスもなかなか強かったから、
難易度はこのくらい)
(10段階評価するなら、5、7、4、7、7、6、8、かな)


シナリオ(全体の印象)
 FCGAMEでおこなわれた’95ベストゲーム投票シナリオ部門で、このドラクエ6に 投票しました(さらに総合部門では三番めに位置させました)。が、最高だという ことで入れたのではありません。他に思いつかなかったからです。私が遊んだなか ではやはり一番力の入ったシナリオだと思いますが、言いたいことはいろいろあり ます。  まず、複雑すぎると感じました。二重構造に入り組んだマップをあちこち動いて、 ただでさえ混乱しやすいのに、人間関係がまたややこしくて、わかりにくいです。 (まぁ、ゲームのほうが楽しいから気にならないかもしれませんが)  それと、『ヘラクレスの栄光』の3と4が思い浮かんでしょうがなかったです。 自分の正体がわからなくてそれを取り戻すとか。ポセイドンも出てくるし。きわめ つけはペガサスに乗って空を翔ぶくだりで、わぁ〜これだけは別のものにしてほし かった、と叫んでしまいました。そっくりなんだもの、天へのぼるところが。偶然 似ちゃって変更がきかなかったのかな。誰かがやったネタは意地でも捨てて別のを 考える、くらいのことはしてほしい。(せめてペガサスではなく、他の特殊な動物 にしてほしかった)
シナリオ(愛)
 “愛のかたち”をテーマにしたエピソードが多かったですね。恋愛だけでなくて、 主人を想う犬のこころとか、両親とか。一番驚いたのはラストシーン、主人公とバ ーバラのツーショット。『V』の結婚の選択(なんでたったひと晩でこんな大事な こと決めにゃならん、とちょっとイヤだった。私が途中で『V』を長期中断したの は、この強引な選択肢のせいでもある。選んだのはビアンカね(笑))でも思ったん ですが、なんか、女性側の心理過程が描き足りてないな、と感じます。あっさりし すぎてる。想像の余地を残すとはいえ、唐突。
戦闘バランス
 ショックだったのは、ゲームスタートしてほんの序盤で全滅してしまったことで す。洞くつに落ちてしまうのは、最初にしては意地悪ですよ。戻りづらい。敵も複 数いるし、もうすこし考慮してほしかったです。  ムドーとか最後の敵とか、強かった。手が復活の魔法をかけるのには「おいおい、 待てやぁ!」とツッコミを入れてしまいました(笑)。何度めの挑戦で勝てたかなあ ……けっこう大変でした。  ザコ戦はさすがにめんどうでAIを使っていましたが、ボス戦だけはマニュアル 操作で戦いました(これはどんなゲームでも、そうしてます)。  城が襲ってくるというのは、何かのゲームでありましたよね。
キャラクター
[主人公]  鳥山さんの、あの生き生きとした絵柄とはうってかわって、画面上の彼は無口  で生気がない。過去のことを思いだす場面はよかったけど、ゲームスタート時  に何か思い出の品を身につけてるとか、王宮に入るとなぜかなつかしさを覚え  るとか、そういう部分が必要だったのではないでしょうか。いきなり王子とい  われてもピンときません。ホルス王子のエピソードが伏線になっていたのでし  ょうけど、それだけでは足りない。 [ハッサン]  まあまあ。 [ミレーユ]  悲惨な過去を持つわりに、それがキャラデザインにあらわれていない(『V』  の主人公もそうだと思った)。もっと艶っぽく、憂いを秘めていてほしかった  です。冷たい感じがするのもちょっと。 [バーバラ]  惜しいキャラです。アンケートハガキにも書きましたが、もうすこし、彼女が  幻想世界の住人であることが強調されていれば、そして最後の戦いで役立って  いれば、ラストシーンに私はいっぱい喰わされたことでしょう。似たような二  つの世界を交互に往来するので、誰とどっちの世界で会ったかなんてことは、  わかんなくなっているんです。  体力が少なくて、最後の敵の一撃をくらったら終わりなので、うかつに馬車か  ら出せなかった。主人公との出会いを早くして、パーティ中でベスト2の位置  を占めるくらいの活躍をしてくれれば、もっと育ったし、印象的にもなったし、  主人公とのツーショットにも多少は納得がいったというものです(笑)。マダン  テはてっきり呪文だと思ってて、いつまでたっても覚えないなーと思ってたら  特技なんですねー。気がつかなくて使えなかった(爆)。 [チャモロ]  メインキャラ中、一番愛着がありました。魔法使いの天才少年という役柄に弱  いから(笑)。言葉づかいも〇。 [アモス]  そうか、選択によっては仲間にできないこともあるのか。なかなか使いやすか  ったキャラです。 [テリー]  仲間になるのが遅い。そのためにラストボスまでに育ちきらず、使いものにな  らなかった。こんな彼は、態度ばかりデカくてほとんど役にたたない、映画版  ドラゴンボールZのベジータのような奴だ。(ごめん☆>ファンの人) (キャラは鍛えれば強くなるのはわかっているけど、とりあえず使えるメンバー  で進んでしまうのでした)
グラフィック
 カルベローナの町に流れる効果が印象的で、きれいです(キャラの動きがぎこち なくなることもありましたが)。ドクロが流れるラスト部分なども効果的でした。 これらの効果があるとないのとでは大違い。  竜が翔ぶところもよかったですが、あの竜、どうなったんだろ。キャラクターと して名前つけて登場させてもよかったのでは。
サウンド
 一番印象に残っているのは塔の曲。こういう感じの曲は好き。ドラクエの曲は確 かに良いのですが、少々古さを感じたりもします(シリーズものはある程度イメー ジ統一が必要なのでしょうね)。今回の塔の曲はその点を意識したものではないか と思いました。すぐに思いだせる曲といえば、塔の曲、カジノの曲、空とぶベッド の曲くらいで、あとは音楽CDを聴かないと……忘れてるか、ウヤムヤ。
操作性
 操作性の悪さでかなり不評をかっているようですが、私はそんなにひどいという 気はしませんでした。「超快適ィ」とも言いませんけどね(笑)。キャラの移動速度 (マップ内部)が上がったのは大歓迎でしたし(『V』は遅すぎた)、速すぎて微 調整しづらいというのもあまり感じなかった(あ、壷を調べるとき、位置が中途半 端になるなとは思いました。でもそれが嫌だとか考えず、夢中で調べまくっていた (笑))。ふくろ(これはGB版『ヘラクレスの栄光』で見たアイデアだな確か)に ついても特に不便だと思わなかったし、いちいち海に潜ったり浮かんだり移動がせ わしかったのもそんなに苦にしてなかった。次はこれやる! っていう目標に注意 がいってたせいかな。  武具を装備するときに強さの変化がわからないのは最初、「あれっ」と思いまし たが、道具を受け渡すときには表示が出るので、一応納得しました。今回はベスト ドレッサーコンテストで装備の受け渡しがよくあるため、こちらのほうがいいと考 えての変更なのでしょう。全員の変化が次々に見られて、すぐに渡せますから。今 までとちがうので、ちょっととまどいますが。  物のまとめ買いはできたほうが便利だと私も思うんですけど、ひとつひとつ物を 買うときのワクワク感も捨てがたいですね(要するにその苦労を許せるような魅力 ある世界観あるいはゲーム内容かどうか、ってことか)。  すごく劣悪な操作性を実現(笑)してるゲームも、世の中にはありますから。
仲間モンスター&スライム格闘場
 しばらく、仲間にするためだけにうろついてみたのですが、なかなかなってくれ ないため、めんどうくさくなってやめてしまいました(結局、仲間になってくれた のはファーラット一匹のみ)。というわけでスライム格闘場は、行きはしたものの 参加していません。おもしろそうだなとは思ったのですが。物語進行上で必ずスラ イムが仲間になるようにして、わざわざ探さなくても参加できるようになってたら よかったのに。ただし、そいつでは優勝はむずかしい、というバランスにするとか。 (もっと強いのを探したい人は、探せばいいのですから)
カジノ
 本編がおもしろかったので今回はカジノはあまりやりませんでした。景品も交換 していません。操作性はいいですね。ポーカーは、カードをチェンジするかしない かを、よく逆にしてしまいました☆ どっちかっていうとスロットは『V』のほう が熱中できました(今回の“かかる”のをまだ一度も見てないです。だから、ハマ らなかったのかも)。
ベストドレッサーコンテスト
 楽しいアイデアです。着せ替えが大変でしたけど。かっこよさというパラメータ が新鮮。最後のレベルで優勝できていません。
クリア後の隠しダンジョン
 もし通信をやってなかったら、私はこのダンジョンの存在をずっと知らないまま だったでしょう。これが楽しみという人もいるのでしょうが、あまり感心しません。 もちろん、おまけがあったら嬉しいですし、音楽CDが出ない作品ではクリア後の サウンドテストはぜひほしいところです。でもRPGって、物語が終わって、ああ 良かったなー、でいいと思うんですよ。クリア後もイベントがダラダラつづくなん て、感動が薄れます。どうせやるなら本編の一部として展開してほしい。でなけれ ば、スパッと終わってほしい。おまけがないとじゅうぶんな満足が得られないよう な出来−−なのでしょうか。  隠しかたもわかりにくい。あれ、テリーはどうしてあんなとこにいるんだ、と疑 問には思いましたが、「あそこは確か、すでに調べたところだよな」と思い込んで、 そのままでした。神殿の炎にもまったく関心を払っていませんでした。すべてのプ レイヤーが攻略本や雑誌記事を読んでいるわけではありません。また、すべてのプ レイヤーがクリア後にいろいろと遊びたいわけでもない。隠しがたくさんあるのも けっこうですが、一度めにクリアするまでが見せ場の勝負と考えて、じゅうぶんに すべてを堪能できるつくりにし、後はさらに遊びたい人用の軽いものにすべきでは ないでしょうか。それでこそ誰にとっても、購入価格にみあった内容となるのです。 クリアしてないイベントが残ってるのに所在がわからないために遊べない、っての はなんか、納得のいかない配分です。  エンディングで、まだ人々から話を聞いてないうちに外へ出てしまうともう戻れ ない、っていうのが悲しい(←試して後悔してる奴)。バーバラ「もう行くの?」 →「はい/いいえ」といった選択肢で確認してほしかったところです。
転職システム
 パワーアップしていると感じます。でも、もっとはやくダーマの神殿が復活して いてもよかったかもしれません。熟練度が★で表現されていくのは、SFCにして はシンプルというか、他の作品だったらもっとカラフルにデザインセンスも考える ところだな、と思いました。  特技に多彩な技があって便利なんですが、どーもロマサガみたいな感じで……。 (地図の現在地を指すカーソルが羽根っていうのも……)  あ、今思いついたんだけど、もしドラクエをCD−ROMソフトで作ったらぜひ、 戦闘実況中継モードがほしい。声色を何種類からか選ぶと、戦闘中のメッセージが 声入りで流れるのです(無声にもできます)。熱いぞ〜(笑)。 (古○さんモード「おーっと、◎◎は59ポイントのダメージをくらったァ!」)  ちと、無理か?(笑)  長くなりました。いろいろと書きましたが(文句たくさん書いてますが、ゲーム 自体はおもしろかったです)、次も楽しみにしております。  がんばってください。
'96 3/2 NIFTY-Serve FCGAMEM
           ドラゴンクエストVI特設会議室 #5540(改稿)
                   (登録日 '96/10/30)
ソフト発売1995年12月備考レビュー