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【プレイステーション2】
『ファイナルファンタジーX』
発売日 2001年7月19日
定価 9240円(税込)
メーカー スクウェア(→スクウェア・エニックス メーカーホームページ
内容  FFシリーズ第10作め。コマンドRPG。
 ハードディスクインストール対応。 


■RPGにあって、映画にないもの〜レベル表示のない映画的RPG

コマンドRPGでは必ずと言っていいほど戦闘メンバーにレベル表示がある。
現在どれくらい物語が進行しているか、レベル数で、だいたい把握できる。
「レベル50を越えたら、そろそろ終盤」だとか、「レベル30くらいだっ
たら、中盤」だとか。しかしFF10にはキャラクターのレベル表示がない。
成長はするが、数字によるレベルが表示されない。

セリフは音声入り字幕スーパーで外国映画風。かなりの力が注がれたグラフ
ィック(ムービー)は派手で見ごたえ充分。ひとつのシーンに手間をかけ、
しっかり描きこまれている。印象的な背景描写、動きのある構図は、映画を
見ているような気分にさせる。

−−RPGにあって映画にないもの。それはレベル表示。
FF10は、より映画的雰囲気にするために、キャラクターのレベル表示を
省いている。映画の登場人物には(現実世界の人物同様)、「レベル数値」
なんてついていないのだから。

キャラクターが装備できるのは「武器」「防具」の2種類のみ。
複数箇所に装備するシステムのRPGが多いなか、2種類だけなのは少ない。
しかも、装備によるステータスアップが「アビリティ」になっており、装備
についた、わずかなアビリティで多少能力が変化するだけ。
(「改造」してアビリティを足すことはできる)
基本的に、攻撃・防御力などは各キャラの能力で決まる。
強い力を宿しているのは装備ではなく、キャラクター自身なのだ。
装備とキャラクターのグラフィックが異なりすぎないようにするため、装備
箇所を限定したのは自然だし、装備購入と変更の手間を少なくしてあるのは
面倒が減る。「装備を外したら能力が低くなりすぎる」不自然さもない。

キャラクターの成長は「スフィア盤」という、ボードゲーム盤のような図が
表示され、進行方向をプレイヤーが決めて、戦闘で得たポイント(スフィア
・レベル)を消費し、ステータスアップやアビリティ(魔法・技)の取得を
していく。マスに止まってスフィアを使うと、最大HP等が増えたりする。
数字でレベルアップするだけでは普通。スフィア盤は、自分でポイントを割
り振る成長システムをグラフィカルに、美しい形にした成長軌跡図。独特の
デザインだ。自分でコマを進めて能力アップさせていくので、自分でキャラ
クターを成長させている手ごたえがある。

気合い入りまくりのグラフィック、ひきこまれるストーリー、個性と魅力の
あるキャラクターたち。迫力ある召喚獣。戦いがいのあるボス戦。
(すべての召喚獣とユウナをオーバードライブ状態にして、ボス戦。ためて
おいたオーバードライブを使いきって、ようやく勝つ。ここちよい全力解放
感!)
「さすが」と思わせるクオリティだ。
プレイステーションからプレイステーション2に機種が変わり、確実にパワ
ーアップしたと感じさせる力作。そのパワーアップはマシン性能の差だけで
はない。表現者の「良い画(え)を作りあげようとする意欲」が高いからこそ、
と言えるだろう。

(HP登録日 2011/10/10)

ソフト発売2001年7月備考感想

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