ゲームレビュー(4)
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プレイステーション
『第4次スーパーロボット大戦S』
発売:1996年1月26日
メーカー:バンプレスト
ジャンル:RPG
☆世界の平和をかけてTVアニメのロボットたちが戦うシミュレーションRPGシリーズ。新ユニットとしてダンクーガ、ダイモス、エルガイム、ザンボット3が加わった。この『〜S』はスーパーファミコン版『第4次スーパーロボット大戦』を移植したもの。戦闘中のキャラクターのセリフに声が入っている。
『第3次〜』から『第4次〜』への変更点

 システムデザインにいくつかの変更が加えられた。戦場において、最初からは敵ステータス値を見られなくなったため、緊張感が増している。ユニットに強化パーツを二つまで取り付けることができ、反撃時に武器選択・回避・防御を選べるようにもなった。おかげで、より幅広い戦術行動が可能となっている。
 今回は、主人公としてプレイヤーキャラクターを男女各4タイプ(計8タイプ)から選択できる。これは嬉しい。アニメなどの創造物上のキャラクターにいくら惚れこんでも、彼らはプレイヤーの存在など知るよしもない。しかし自分の分身キャラクターがいれば、自分専用のロボットに乗って、ゲーム中のキャラクターたちと一緒に時を過ごせるのだ。自分の持ちキャラだと思うと、成長させるのにも特別に力が入る。また、「男女のプレイヤーキャラクター設定」は、男性プレイヤーにも女性プレイヤーにも感情移入をさせやすくするだけでなく、物語中で一組の恋愛イベントを起こすことによって、男女両方のキャラを用意した意味をちゃんと持たせてある。

 『第4次〜』では、オプション機能がおそろしく充実している。特に、ついに出た、という感のカラオケモードは感涙ものだ。流れる歌詞に合わせて歌うと、当時の想い出が掘り起こされてきて懐かしい。サビ部分しか覚えていない曲や、間違って覚えていた曲を再確認できる。1番しか歌えない仕様なのが残念だが、もし全曲3番まで熱唱したら、相当エネルギーを消耗して疲れ果ててしまいそうだ(笑)。
 アニメのことを知らないとどういう意味なのか理解できないメッセージが出てくるという問題も、今回新しくつけられたデータベース“キャラクター大事典”“ロボット大図鑑”のおかげでかなり解消している。むろん、実際にアニメを見ておいたほうが世界観の理解および感情移入度がずっと深いのは言うまでもないが、昔やっていたアニメを観たいと思っても今ではなかなか機会がない。詳しい背景説明が読めるのはありがたい。
 全体にシステムは遊びやすいように非常に気をつかってあるが、『第3次〜』から変わっていない部分で気になったのは、ユニットを戦艦に収容したときのエネルギー残量が、目分量でしかわからないこと。出撃させてみないとどれくらいまで回復したのか、正確な数値を確認できない。エネルギーが1足りないだけでも勝敗が分かれる場合があるのだから、HP表示と同じように数値で見られると便利だ。

PS版の変更点

 電源を入れてしばらくすると、迫力のデモが展開する。リアルな画像で、ユニットが動く。とぶ。撃つ。思わず口をポカンと開けて見とれてしまった。かっこいい。これはSFCでは出来ない芸当だ。さすがはCD−ROMである。ただ、最初のメーカーロゴとタイトル画面のグラフィックがボヤけて見え、英字タイトル部分が読みにくい。デモ表示の関連で、こうなっているのだろうか。
 SFC版と異なるPS版の大きな特徴は、何といっても戦闘中のキャラクターのセリフに声が入ったことだ。声は、入っているほうがやはり迫力が出る。が、声入りでしゃべるキャラとしゃべらないキャラがいるし、敵側のキャラクターにはほとんど声が入っていない。できれば敵も含めた全てのキャラクターに声を出してほしいところだが、そうすると予算が足りないのかもしれないし(笑)、名前のない敵の部下全員にまでいちいち声をつけていたのでは大変である(かといって、全部に同じ声を割り当てるのも不自然だ)。相手からの反撃の際にも声が出てくれれば一層、臨場感が高まるのだが、これは仕方のないところか。それと、声優さんたちも以前演じていた頃から時間がたっているせいもあってか、一部、もうその役をやるのがつらくなっている印象を受ける。ちょっと無理があるか、と感じる部分は、聞いていて違和感をおぼえた(かえって、それが面白かったりもするのだが)。

[つづき]
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