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【ゲームキューブ】
『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡(そうえんのきせき)』
発売日 2005年4月20日
定価 6800円
メーカー 任天堂(→メーカーホームページ )/インテリジェントシステムズ(→メーカーホームページ
内容  剣・斧・槍(3すくみの強弱)、弓・軽器・魔法のシミュレーションRPGシリーズ。
 物語は次のゲーム機「Wii(ウィー)」で発売された『ファイアーエムブレム 暁の女神』に続く。


■気づいたらハマってる!? リセット必須のS・RPG

「ゲームにハマる」という表現には2種類の意味がある。
ひとつは「おもしろくて、やりこむ」。もうひとつは「いきづまって先へ進
めなくなる」。『ファイアーエムブレム』(FE)は、この両方の性質を持
つシミュレーションRPGだ。

普通、シミュレーションRPGというジャンルで、同じステージはそう何度
も何度もやり直すものではない。
が、FEには、やり直さなければならないワケがある。
「一度でも倒されてしまったら、そのキャラクターは(生死にかかわらず)
ゲームクリアまで、戦闘に参加しなくなる」
修理可能な機械ユニットならともかく、固有名がついたキャラクターもので
「倒されたら終了」なんて、シビアすぎる。しかし、それが戦い。
「味方は誰も死なないで敵は全滅」なんて戦争は、めったにないのだ。

普通、「クリア不可能」になることがないように考えられてゲームは作られ
ている。
しかし、FEには「クリア不可能なセーブデータになる危険性」がある。
強いユニットでも、うっかり倒されてしまうことはある。やり直しが面倒だ
からと言って、クリアに重要なユニット(特に回復役)を失った状態でセー
ブしてしまうと難易度は急上昇。
途中で新ユニットが少しずつ加入してくるが、回復役は少ない。そして回復
役は防御が弱いので倒されやすい(「弱いユニットは敵の攻撃範囲に入るな」
「敵に近い場合は強いユニットで壁を作るようにして弱いユニットを守れ」
が鉄則)。

三段階の難易度(「ノーマル」「ハード」「マニアック」)があるが、私は
「ノーマル」でいきづまって何年も放置した後、「マニアック」で最初から
やり直してクリアした。
「ノーマル」でも「マニアック」ほどではないが、やり直しは避けられない。
幸い、ゲームキューブというゲーム機は、リセットボタンを押してから再度
スタート画面が表示されるまでの時間がかなり短い。ロムカセットでなく、
ディスクを読み込むタイプなのに、ロムカセット並みに速い(光ディスク)。
リセット回数が多いFEにはありがたい特性のマシン。
リセットして立ち上げ直すのにいちいち時間がかかってたら、プレイする気
が減じかねない。開始してすぐ、重要ユニットが倒されてしまうことだって
あるのだから。

「何度やっても先に進めない」状態になった時、まだ手遅れになってない過
去のセーブデータが残っていればいいが、そうでなければゲームの一番最初
から、やり直すはめになる。
アクションやシューティングゲームのように、プレイ時間が短めならやり直
すのもいいが(というか、それらは何度もやり直すのが当然のゲームだが)、
成長系で長時間かかるゲームにおいて、「最初から」はキツい(だから放置
してしまった)。
「クリアに大事なキャラは倒されないよう進んでください。でないと最悪、
最初からやり直すはめになります」……とは説明書には書かれていない。

倒されるとゲームオーバーになるキャラ(主に主人公)が生きていても、ク
リアに大事なキャラが倒されてしまったら、リセットボタンを押してやり直
すべき。そのまま進むこともできるが、後で苦戦することになる。
全員そろっていた方が支援会話が増えるし、戦略に幅も出る。メンバーチェ
ンジして気分転換にもなる。
ただクリアすることが“勝ち”ではない。味方が生存した状態でクリアする
ことが“価値”なのだ。

戦闘画面が臨場感ある3Dになったり(アニメ個別オフ可)、ところどころ
効果的にムービーが流れたりするなど、過去のFEよりグラフィックがパワ
ーアップしている。キャラクターもかなり魅力がある。
楽に進めるゲームとは違う、「ユニット・お金・アイテムの大切さ」を実感
させるシステムとバランスは、FEならではの個性。
よく出来ている、おもしろいゲームだと思うが、アクションやシューティン
グゲームのように繰り返しのプレイが必要なゲームだと理解していなければ、
「難しい」「やり直すのが面倒!」と、途中で投げ出されてしまいやすいの
が難点だろう(味方ユニットが倒されると、「やり直さなければならない面
倒くささ」による腹ただしさで、本当に悔しい気持ち☆)。

(HP登録日 2014/1/22)

ソフト発売2005年4月備考感想

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