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【プレイステーション2】
『ファイナルファンタジーX-2』
発売日 2003年3月13日
定価 8190円(税込)
メーカー スクウェア(→スクウェア・エニックス メーカーホームページ
内容  FFシリーズ第10作めの2(続編)。コマンドRPG。


■ドレスアップでジョブ・チェンジ☆ 女の子パーティーRPG

ナンバリングされているシリーズものが2作に分けて発売されるのは珍しい。
続編となるFF10−2はFF10のキャラクターと世界マップを流用して
いるが、戦闘や成長システムなどは別のものになっている。
(物語的には続きなので、FF10からプレイした方がよい)

今回、スフィア盤はなくなり、普通に数値レベルアップで成長する。
ドレスアップ(衣装を替える)で能力が変化(ジョブ・チェンジ)。
魔法少女の変身アニメみたいなノリ。「リザルトプレート」に「ドレスフィ
ア」をはめこみ、そのジョブのアビリティを覚えていく。
FF10にはジョブチェンジがなかったので(能力はいろいろなのを覚えら
れるが、姿は固定)、キャラクターの個性が出ていたが、今回はジョブを変
えるたびに姿や個性が変わる。ジョブやアビリティの種類は多い。
「ドレス・チェンジ」と女性限定にしてしまったので男性キャラは味方パー
ティーにいない。戦闘メンバーが女ばかりなのは、男性プレイヤーには感情
移入しづらいかもしれない。

戦闘は、リアルタイムに時間が流れるアクティブ・タイム・バトル(ATB)
になった。ドレスチェンジの変身シーンは派手で凝っていてキャラクターが
アップになるが、それ以外のところではカメラワークにメリハリが少なく、
キャラクター表示が小さい(大写しになることが少ない)。
「離れた観客席から演劇を見ているような構図」が多く、迫力に欠けるのが
惜しい(この点、FF10の方が優れていた)。

アクティブ・タイム・バトルは「敵より早く行動できるか(回復が間に合う
か)!?」という臨場感が生まれるシステムだが、プレイヤーのコマンド指
定後、すぐにキャラクターが行動に移らないのがもどかしい。
「戦う」はすぐに動くし、魔法詠唱に時間がかかるのはわかるが、「スロウ」
の魔法がかかったように行動準備に時間がかかり、動きがスムーズでない。
敵の動きはリアルタイムだが、味方の動きがリアルタイムでないのだ。
これならば、まだFF10のCTB(カウント・タイム・バトル:リアルタ
イムではないが、コマンド指定後、すぐキャラクターが動く)の方が、プレ
イヤーとキャラクターの一体感がある。

■それなりに楽しめるが、使い回しの多さが気になる

FF10の世界マップ各地に最初から全部行くことができ、「ストーリーレ
ベル」が上がる(話が進む)ごとに、各地の状況が変化。
RPGでは、NPCが最初から最後まで同じセリフしか言わないことが多い
が、FF10−2ではストーリーレベルごとにセリフが変わる。
このへんは自然な展開で労力がかかっていて、うまい使い回しの仕方なのだ
が、似たようなモンスターや同じ景色を何度も繰り返すのは少々退屈という
か、見飽きる。
味方のデザインやシステムは新しいが、背景・モンスターグラフィックの多
くがFF10のアレンジだからだ。

FF10を「予算をかけた大作映画」とするなら、FF10−2は「予算少
なめのテレビ番組」。
世界各地にミニゲームやイベントが設置されており、それらをこなしつつ、
ミッションをクリアしていく。最初からいろんなチャンネル(場所)があっ
て切り替えられる。毎週(ストーリーレベルごとに)、番組内容が変わる。
テレビでは映画も放送されるが、映画館で見るのとは迫力が違う。

FF10とFF10−2は同じ材料が使われているが、調理方法と味付けが
異なる。
最初に材料をまとめて用意して、まず10を作り、しばらく時間をおいてか
ら、(材料を追加して)残りの材料で10−2を作ると、鮮度が落ちる。
新しいマップもあり、FF10と同じマップでもモンスター配置が異なり、
新要素が追加されてはいるが、同じ背景やモンスターデザインの使い回しが
かなり多いので、「未知の場所に行くワクワクする気持ち」は減じてしまう。
マップやキャラクター等を流用するだけでも、まったく最初から新しく世界
構築するよりはコスト安。開発コストをおさえて2本分のソフトとして販売
できるのだから、開発側にとって、ラクな方法なのだろう。
(前後編でも、1本の価格設定が安くなったりしない。むしろ一般的なPS
2ソフトより高い)

張りつめた緊張感のあったFF10より明るくコミカル、気楽にプレイでき
るのがFF10−2。イベント量はたっぷり用意されているが、ミニゲーム
や、メインストーリーに関係ない、ちょっとしたトラブルを解決する寄り道
ミッションが多いので、FF10のようなドラマチックな物語展開を好むプ
レイヤーには、物足りないかもしれない。

(HP登録日 2011/12/10)

ソフト発売2003年3月備考裏話

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