195.
スペースインベーダーズ 復活の日
PCエンジン
シューティング
1990.3.2
タイトー
インベーダーゲームが大流行していた、十数年前。「ゲームセンターへ行く子供は不良」というイメージが世間では強く、ゲームセンターは立ち入ってはならない禁足の地であった。しかし私と弟は好奇心に負け、しばしばゲームコーナーへ“見学”に行き、プレイこそしないものの、大人の人が遊んでいるのをこっそりと眺めていた。ある日、あまり熱心に見ていたからか、遊んでいたお兄さんが「やってみる?」と100円玉を入れて席をゆずってくれたときには、 (この人! なんていいヒトなんだろう!) と大感激したものである。その人にとってはたかが100円、ジュース一本ぶんの、どうってことのない金額だったのかもしれない。が、貧乏だった私たちにとって、それは100円以上の価値を持った、ずっと記憶に残る、大変ありがたい経験なのであった。 (その経験は、あっという間に自機が破壊されることですぐに終わってしまったが。インベーダーの動きが速くなってくるともうパニック状態(笑)) その懐かしのインベーダーゲームが家庭用マシンに移植されたのがこの作品である。グラフィックがきれいになっていて遊びやすく、シンプルながらも面白いが、昔ほどの興奮は、やはりない。誰かに見つかるのではないかとドキドキしながら遊ぶ緊張感は、今ではもう味わえないのだろう。
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