055.
聖闘士星矢
ファミコン
アクションRPG
1987.8.10
バンダイ
週刊少年ジャンプで連載されていた、車田正美の同名漫画がアニメ化されて人気が出て、お約束のようにゲーム化もされた。タイトルは「せいんと・せいや」と読む。(「せいとうし・ほしや」ではない)あれは専門学校生の頃。近所の子供が「ゲーム教えて」と言ってきた。どれどれ、どんなソフトかなとワクワクして行ってみたところ、この『聖闘士星矢』が出てきた。「男の子はやっぱりこういうのが好きなんだな」と思いつつ、説明書をパラパラ見る。後ろには、その男の子のおばあさんがふとんに横になっており(身体を少し悪くしていたのだ)、こちらの様子をニコニコしながら眺めている。う、緊張するじゃ
ないか。教えるためには、まず自分が理解しなくてはならない。少しの間、黙ってゲームをプレイしてみる。なるほど、あちこち歩いて戦闘画面になったら、
コマンド入力して闘えばいいんだな。そら、必殺技いけぇッ!(あまりかっこいいとは言えないグラフィックで技が出た) よーし、もう一撃っ!……ハッ。いかんいかん、つい自分の世界に入りこんでしまった。このままゲームをクリ
アしてしまうわけにはいかない。今日は家庭教師役で来ているのだ。要領はだいたいつかめたので男の子にコントローラーを渡し、そばで実況説明しながら補助をしてやる。敵をようやくひとり倒したときの彼の表情は、とても嬉しそうであった。そして、それを見るおばあさんも私も、何となく嬉しい気分になったのだった。
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