【ゲームボーイ】 『ザードの伝説2』

発売日 1993年2月19日
定価 4900円
メーカー ビック東海
内容  前作とは異なるシステムが個性的なRPG。


注:ネタばれ内容を含みます。
パートI
 ある日、ゲームショップでふと目に入ったゲームボーイソフト1本。 「ザードの伝説2」!なんと!?いつの間に??私、全然チェックしてなかった (どころか、出るということさえ知らなかった)。びっくりした。  雑誌で調べてみたら、発売スケジュールのところに、チラ〜〜ッとだけ出てい る。しかしレビューはまだされていない(←私の買っている雑誌では)。  あんまり驚いたので、つい買ってしまった。中古で¥3200。出たばかりの ようなので、中古といっても新品と値段がほとんど変わらない。また例のごとく 箱なしの値段だったが、ふっふっ、今回はそういうこともあろうかと、あらかじ め箱はじっくりと観察済みだぜ(笑)!!  1は、ついこないだプレイして、やっとのことでクリアしたばかり。 (ここの会議室では、”RPG初心者”にはおすすめしてなかったけど★)  説明書を読む。おお?なんだか今回は、やけに気合いが入っているではないか。 1は純粋なコマンドRPGだったが、今回はアイコン形式になっていて、十字キ ーを押しながらAボタンを押してコマンド入力となる。  設定もなかなかに凝っている。年月日など時間の単位、旅をするのに必要なレ ーション(食料)、レベルがわかれているフォウス(魔法。フォース、だと「ア レサ」になっちゃうもんね(笑))..。(なんとなく、「グインサーガ」が好 きなスタッフがいるのではと思うのは気のせいだろうか。ジョウジ・キャスラド ってキャラは、まるでイシュトヴァーン(笑))  主人公は、記憶をほとんど失ってしまっている(よくあるパターンではある)。 1から時間がたち、2では前作の主人公の孫まで出てくる。  さっそくプレイしてみる。最初からやるのか、コンティニューかを選ぶ画面が 出る。が...「BIGINNING」ぢゃなくて「BEGINNING」でし ょー...間違ってるぞ...(ROMに焼きついた間違いは恥ずかしいぞ。誰 も気付かなかったのだろうか?)。  それはまあ、おちゃめな間違いとして(笑)、とにかくキャラに名前をつける。 はじまる。おおっ!!これはなんとリズミカルでテンポがいいのだろう。映画の ように展開する、というのはほめすぎだろうか?「アレサ」シリーズのようにキ ャラがアップになって会話する。それがまた実に人間くさくて面白い!  斬新なゲームシステム。街の中を歩き回る必要がなく、すべてカーソルを動か してAボタンを押すと家の中に入ったり、人と会話ができたりする。 しかもこの会話が、おざなりでない。何度か話してもワンパターンな返事でなく ちゃんと反応してくれる。キャラに表情もついている。  ちょこっとプレイしてみただけだが、これは面白い!自分のHPがいきなり1 000近くあって、ダメージも1回あたり何百と受ける”インフレ数値”には少 しとまどったが(まあ「アレサ」という前例もあるし)、楽しめる!  フィールド画面がこれまた変わっていて、キャラクターがフィールドを歩くの だが自分では動かせない。MAPがあって、どこへ行きたいかカーソルを合わせ ると勝手に歩く(前作では、あまりにMAPがだだっぴろくて、次にどこへ行け ばよいのかわからなくなることがあった。見事に今回のはその弱点?を解決して いる)。みる間に陽がのぼりおちてゆく。必要な日数歩くと目的地に到着するが その間に敵が出るのでたたかう。歩いていると体力がへってゆくのでキャンプを はって回復させる。  シナリオも、前作の主人公が突然どこかへいなくなってしまう、という実に先 が気になるもので、謎の少女が別の場所にあらわれて伏線をはってくれたりする。 今は謎だらけだが、そのうちひとつにまとまってゆくのだろう。どう展開するの かとても楽しみだ。  それにしても、「侮りがたし、ゲームボーイのRPG!!」         「やってくれるな、ビック東海!!」...である。 (まだ少ししかプレイしてないけれど、もうすでに私は3が出たら発売日に定価 近くででも、買うつもりでいる。そのくらい気にいってしまった★)
パートII
 「ザードの伝説2」のエンディングを見た。久々に「う〜む」と(良い意味で) うならせてくれるソフトだった。  RPGで、自分で十字キーを操作することなく勝手にキャラを歩かせるというの は新しい(目的地は選ぶけれど)。ダンジョンや塔などにも、このシステムを使用 しており、分岐あり、トラップあり、落ちてるアイテムあり、イベントありで普通 のRPG(?)と同じなのであるが、新鮮だった。(これが「たるい」と言う人も いるかもしれないけど) (この感覚は...「イース3」でキャラクターに当たる城内でのスポットライト が、”ああいうふう”になっていたのに感動したのと似ている。視点が変わるとこ うなる、ってやつね)。  このソフトで気にいってるところはたくさんあるのだが、何と言っても音楽の良 さ!(ぜひイヤホンをつけてプレイすることをお勧めする)1の時もフィールドの 曲など大好きだったけれど...CD出ないかなあ。(個人的には「えんむすびの どうくつ」で流れる曲が一番好き。全部いいけどね★)  状況にあわせた音楽が流れる(後半クライマックスでは、使い回しでない新しい 曲も流れ、「さあ、いくぞ!」という感じ満点である)。 (こういう、「最後の目的にまっすぐ目を向けて、決戦だ!」というのはいいな)  音楽スタッフとその他のスタッフの連携がとれている作品はリズムが良い。  あと、洞くつ内ではフォウスポイントの回復がフィールド上より遅いとか、 ステータス画面が傑作だとか(数値でなく、言葉で表現されていて、強くなると 変化する)、真の目的のためには貯めこんだ不必要なお金はいらないとか、爆笑の スタッフのひとりごととか(笑)、毒うけたりすると変わるグラフィックとか、 親切に解説がつく専門用語とか。  正直言って、この「ウル」の世界の真の秘密を知った時にはびっくりした。完全 なファンタジーだと思っていたので★1の時には考えもしなかった設定である。 (しかしよくここまで前作をガラリと変えられるものだ。良くなってるからいいけ ど)  フォウスポイントはいわゆるHPとMPを兼ねている。フォウス(魔法)を使う と減るし、敵から攻撃をうけても減る。(魔法による回復のしかたは、「アレサ」 にヒントを得てるかな、と思った)  オープニングでスタッフロールが出たので最後には出ないのかな、と思っていた ら、最後にもちゃんとあった。このゲームのオープニングあたりは実に良い。引き がうまい。こおろぎのころころ鳴く声のような効果音の雰囲気がいい。  後半ちょっと敵との遭遇が多いかな。それと「薬をとってきてくれ」のイベント ですぐまた話を聞くといつのまにか次のセリフが(まだ行ってきてないのに)出る のはミスだな。瞬間移動の手段がない(はず)のでいちいち歩かねばならず、少し 面倒ではある(たぶん3が出れば瞬間移動ができるようになるだろう)。  ゲーム中には3を予測させるような箇所がいくつもあったので、きっと必ず3が 出るに違いない。私は断言しよう、「ずえっっっったいに、3は発売日に定価でも 買う!!」と。スーパーファミコンで、練りに練って出しても良いものが出来そう なシステムだと思う(でもビジュアルアップがなくなるかな)。
'93 3/21 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ハンディゲームマシン会議室 #479(パートI)
     '93 4/9 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ハンディゲームマシン会議室 #485(パートII)

                  (登録日 '98/12/30)

ソフト発売1993年2月備考なし