【ゲームボーイ】 『セイントパラダイス 最強の戦士たち』

発売日 1992年11月13日
定価 4800円
メーカー バンダイ
内容  週刊少年ジャンプで連載されていた漫画「聖闘士(セイント)聖矢」を 
 題材にした、コマンドRPG。


 最初、文字を見たとたん「あ、”バンダイのフォント”だ!」と思った。
(どっかで見たことある、この文字フォント。これぞバンダイ?だ)
 しかし..ひらがなはまだいいけどタイトル画面の下部分に書いてあるローマ
字、”HURUMADA”..「”ふるまだ”?誰だ?」と思ったら”くるまだ
(原作者の車田正美さん)”だし(KがHに見える)、”SVUEISVA”..
「えすぶい..何だ??」と思ったら..”集英社”(YがVに見えるのだ!)
だし☆ちょっと問題あるかもしれない(”BANDAI”だけは読みやすいって
のが(笑))。

 キャラクターものだが、ステータス画面の人物の顔イラスト...くずれた絵
..ファンが泣くぞ☆パッケージイラストはなかなか良いんだけどなあ。
 ”たいれつ”コマンドでキャラの順番入れ替えができる。画面にキャラの絵が
出てそれで選択する(絵のみでキャラ名は表示されない)んだけど..どれが誰
なのか、わかりにくい。「本物はどれでしょう?」というクイズゲームをやって
いる錯覚にとらわれる☆ゲームボーイはカラーじゃないのだからなおさら、パッ
と見分けられる工夫がほしかった。
 新しいクロスをまとった時、その場でグラフィックが描きかわるのは良い。

 独特というか、実にミョーな味を持っている。音楽や絵に、どこか”変な味”
がある(←注:一応、ほめてる)。キャラクターものということもあって一見、
「ク○ゲー」に見えてしまうかもしれないが、ゲーム展開のリズムは悪くなく、
わりと遊べる。
 戦闘の時、ゴンドラに乗って登場するかのように斜めに出現する敵や、たまに
出るヘンなメッセージ(「○○○がみつめている」「△△△はちょっといやだな
っとおもった」とか、「○○○はほほえんだ」「△△△ははにかんでいる」とか、
攻撃の手を休めてまでやることなんだろうか(ギャグ..なんだろな☆))..
なんかユニークである。
 宝箱に入ってるものを取って、再度中を調べると「ない.」という実におろそ
しく簡潔なメッセージが返ってくる。思わず「はい、今取ったばっかりでしたね、
すみません」と謝りたくなる(笑)(ずっと以前に”一度アイテムを取った箱の
中をもう一度調べるとさらに新アイテムが見つかる”というゲームに出会ってか
ら、ついわかっててもやってしまうのだ☆)。

 戦闘はいったんコマンド入力すれば、自分でメッセージを送らなくても勝手に
流れていってくれるので楽(メッセージスピードは6段階から選べるが、どれで
あっても同様)。
 レベルも上がりやすく、各自いろんな必殺技をだんだんと会得してゆく。この
必殺技は戦闘の時、ちゃんと簡単なアニメの効果つきでくり出される。いろんな
技があって面白い(欲を言えば技を出す時のセリフはもっと迫力出してほしい。
例えば「ダイヤモンドダスト!」ではなく「ダイヤモンドダストォーーー!!」
..くらいはやってほしいものである。ノリ具合が違うのだ(笑)。同じ文字列
を使ってたりするからかな)。
 カーソルは多少すべりやすい気もする。Bボタンでメッセージ表示をスピード
アップさせられるのは良い。攻撃目標の指定や、味方の行動選択時など、キャラ
の名前(文字)は表示されず、グラフィックにカーソルが指し示される。攻撃す
る敵の指定はわかりやすくていいけど、一度選択した味方の行動をキャンセルし
たりする場合、視線は画面下のコマンド部分にいっているので、今誰の番なのか
同時に視界に入ってこず、いちいち画面上をチラッと見て確認しなければならな
い☆

 キャラクターの移動はBボタンを同時に押すことによってスピードアップでき
るので嬉しい(上体をほとんど固定したまま足だけシャカシャカ動かす。これは
なかなか高等技術だぞ(さすがはセイント(笑)))。
 敵の中ボスなんかが腕を組みイライラと足を踏みならしながら待ってたりする
のが、芸が細かい☆

 場所によってセーブできたりできなかったりする(洞くつ内ではほとんどセー
ブが出来ないのがつらい。そのうち全滅くらってセーブしたところからやり直し
☆せっかくたくさんレベルアップしていても、すべてがパア)。
 道のりは結構長いし、外への脱出アイテムあるいは魔法などもない。”途中で
ひきかえしてHPなどを回復&セーブ”がある程度前提となっているので、一気
に進みたく思ってもやむなく戻らねばならない。特にキャラが弱い最初の頃は、
そうしないと全滅する。ちょっと、もどかしいかな。気軽に電源切れない(セー
ブしてゲーム中断できない)箇所があるのが困るかなあ。
 HPとCP(コスモポイント)回復の方法がよくわからないので(私は最初、
宿屋を探したぞ)、ゲーム中の町の人のメッセージなどに少し説明させるとよか
ったかも。レベルアップすると全回復するんだけどね。

 アイテムとして使用する”カードダス”にはいろいろな種類があり、なかなか
楽しい。十字キーの左右どちらかを押せば、絵とともに効果説明が表示される。
カードのデザインがわりと良くて、好き。カードは戦闘時の補助として、攻撃と
同時に使用できる。アイテム使用だけで1ターンとらなくて嬉しい。
(”ダブルコマンドシステム”というらしい)

■カードはいろいろ■(なんだか「桃太郎電鉄」を思いださないこともないな☆)

*「いずみ」カード..ところどころにある枯れている源泉に使用すると、そこ
から泉がわきでる(いつでもそこで全回復できるようになる)。こういうのって
なんか好きだな。
*「セブンセンシズ」&「ビッグバン」カード..両方とも攻撃力アップ。ネー
ミングがいいやね☆

...これらの他にも、まだまださまざまな種類のカードがある。さあ君も全部
集めよう!(違うって)

 ゲームは3つの章にわかれている。

[第1章:ギャラクシアンウォーズ編]
 最後のマップ、広く感じた。同じデザインが続くので迷いやすい(マッピング
すればいいんだけど☆)。テクノの町が、なんか良い(ノンフィクションかな?)。
[第2章:12宮編]
 時計盤?の火が、ひとつひとつ消えてゆく演出が良い(原作に結構忠実かな)。
[第3章:ポセイドン編]
 ザコ敵の数と出現回数が結構なものなので、だんだん苦痛になってくるかも。


 ちょっと説明不足な部分もあるので行き詰まったと感じる時もあるかもしれな
いけれど、じっくり人の話を聞いて歩き回ればなんとかなる(はず)。

 原作を知らないとキャラクターや設定などがよく把握できず、わけがわからな
いかもしれない。元を知っていた方が楽しめるのは間違いないだろう(最初から
ネタばれしてるって問題はあるにしても)。専門用語、原作キャラ名がわんさか
出てくる。私は漫画の方はあまり読んだことないしアニメもチラッとしか観たこ
とないので比較ができないんだけど、わりと展開は原作に忠実であるようだ。と
なるとこれは、「RPG仕立てのデジタルコミック」と言えないこともないかな☆

 各キャラの必殺技、アイテムとしてのカードダスなど、やっぱり小さい子向け
のゲームだと思う。私には、手ごたえがもうひとつであった。

'93 11/19 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ハンディゲームマシン会議室 #418

                   (登録日 '98/3/18)

ソフト発売1992年11月備考なし

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