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【ゲームボーイ】
『女神転生外伝ラストバイブル』
発売日 1992年12月25日
定価 5300円
メーカー アトラス(→メーカーホームページ
内容  FC、SFCなどで人気のRPG・女神転生シリーズの 
 外伝がGBに。この外伝は3Dダンジョンはなく、フィ 
 ールドタイプのRPG。ケーブルで他のGBをつなげば 
 パーティーの強さを競いあう対戦もできる。

注:ネタばれ内容を含みます。
 電源ON。タイトルロゴが表示される。少したつと、魔獣の合成デモが流れる。 きちんとGBでも省略せずにやってくれるところがよい(まあ、これは大きなウ リだからなあ☆)。このデモはものすごくパターンが豊富にあるようだ(さすが に数えきれなかった)。 (私はいつも、はじめてやるゲームはすぐスタートを押さずにオープニングでし ばらく放っておいてデモを1ループさせたり音楽を聴いて耳になじませたりする のだけど..いきなり、ギョッとさせる効果音が入ったのでビビってしまった。 あと、最初の「まじゅうが..」のところとか、戦闘に入った瞬間もドキッとし た☆)。  しかしこの合成デモ、始まってしまうと途中でとばせない。これはきっと魔獣 のステータス画面にイラストが出ないので、合成時か戦闘時にしか魔獣のグラフ ィックが見られない→うっかりボタンを押してデモをとばしてしまい魔獣のグラ フィックを見損う..ことをふせぐため、なのだろうな。 (GBの小さい画面ではグラフィックを入れるのは苦しいか..)。  コンティニューでファイル選択画面になってからでも、Bボタンを押せばタイ トル画面に戻れるのが親切。(GB本体にはリセットがないから、やり直す時は 電源切るんだけど、そのたびに任天堂ロゴ(+ピコーン☆)が出るんだよね)  3ケ所どこでもセーブがありがたい。ファイル選択時にはすべての仲間の状態 が表示されるけれど、あまり各ファイルのレベル差がないとどれが最新データか 迷ってしまうことがある。主人公の経験値も表示してくれると嬉しかった☆  最初に自分の名前と、仲間(男1人、女1人)の名前を入力。そういえばFC 版の2でも仲間の名前入力があったっけ..?(2は途中で挫折..1も同じく ..左記の理由で「真〜」は保留状態☆ あまりのダンジョンの広さにくじけて しまった) ひらがな、カタカナが切り替えできるのでよい(カタカナ部分の ”おわり”が”オワリ”ってなってたのには笑った)。 仲間内で同じ名前をつけると「おなじなまえのひとがいます!」と出てくれる☆ カーソル移動、ウィンドウ開閉時の効果音や感じがなかなか好き。  レベルアップ時に各能力値のどれかを1ポイント上昇させる、会話して魔獣を 仲魔にする、などもシリーズの流れをちゃんと受け継いでいる。月の満ち欠けが ない、仲魔を呼ぶ&連れ歩く時に何も消費しなくなった点などは変わっている。 「こんごともヨロシク」があるのはやはり良い(笑)。  宿屋の「なんた”いあんた?」というセリフを見て「何だ?”いあんた”って」 と思ったら..「何だい、あんた」だったのね☆(「だ→た+”」だから一瞬、 わからなかった..)  キャラは十字キーを押しっぱなしにしていると勝手に障害物を避けて歩いてく れる(たまに思わぬ方向へ行っちゃうけど☆)。ちゃんと人物にぶつかると停止 するようにもなっている(すべると話にならない)。店に入った時など、ちょう ど店主の前に歩いていってくれる時があって、そういう時はなんか嬉しい。  戦闘はかなりスピーディ。オートコマンドはとても楽で、1回の戦闘が数秒で 終了する(ダメージポイント表示とかが無く”せんとうちゅう”とだけ出るので、 メッセージを追わなくてすむ)。しかし油断していると「あっ!」という間に死 んでしまう。結構いきなり遠くまですいすいと歩けてしまうので、装備や強さが 貧弱な場合、すぐにマッカ(←お金の単位。これ説明書に読み方書いてないから 知らない人は読めないな)が半分である。どこでもセーブできるので、こまめに セーブしておけばやり直せるのではあるが(ほんとは私はリセット(電源OFF) によるやり直しは好きじゃないんだけど..☆ズルしてる気がして)。  お金はわりと貯まりやすいのだけど、次から次へと新しい、より強くて高価な 武器・防具が売りに出てくるのですぐになくなってしまう。やっぱりその時最高 の値段のものをいきなり買った方がトータル的にコストは安いと思って、弱い武 器でずっと我慢してお金を貯める(通常よりたくさんレベルアップをしないとい けないので一石二鳥?だ)。だから私の場合、全滅はしやすかった(笑)。  音楽&効果音は耳に心地よい。ミュージックモードでじっくり聴きたいな、と 思える出来の曲ばかりだ(音楽CD...出ないかな?今度「女神転生シリーズ」 の新作が出て(出るといいのだけど。相当、先かな)、それの音楽CDが出る時、 一緒にこの外伝の曲も全部収録してくれると嬉しいなあ)。  町の曲は周りの雰囲気もあいまってか、ちょっと「ファイナルファンタジー」 シリーズっぽいかなと思った(画面切り替え時の分割もF・Fを思い出した)。  オープニング画面とファイル選択画面で流れる曲は1ループが結構長いのだけ ど、オープニング時は魔獣合成デモで途中でカットされるし、ファイル選択時に はそんなにその画面で長居しないので最後まで聴かない。この曲はゲーム終盤で 再度流れ、その時はじめて最後まで聴くことになる。物語の最初で聴いた曲が、 ゲームクライマックスでまた流れると「ああ、ここまで来たんだ」と実に感慨深 い。こういう演出は好き。  水がある場所のグラフィックは、”水が流れている感じ”にしてほしかったか な。水が動いてないので歩ける場所かと思ってしまうし、雰囲気も出ない。  街などの構造は少し入り組んでいる。各地域の文化を感じさせる個性あるデザ イン。看板があったり、場所の名称表示が出たりするけどちょっと迷ってしまう ようなところもある(定宿はキープして(覚えて)おかねば☆)。入口に見取図 の大きい看板がたってると嬉しいかも(笑)(「カエルの為に〜」みたいなやつ とか)。  ゾード関係の建物のデザインは好き。ここの、まっすぐにのびた細く狭い通路 を歩いていく時の雰囲気がいいな。  魔獣を仲間にする時の会話がなかなかスリルあって面白い。同じ質問でも相手 によって成功したり失敗したりする。サブキャラに交渉してもらうことも出来る ので、面倒な時はお願いしてしまう(その時しゃべるセリフがなんとも楽しくて 良い)。  メッセージ関連はいい味を出している。思わず笑ってしまったり、真顔でかみ しめてしまったりするセリフの数々。私が特に気に入ったのは仲魔にする交渉の 時、魔獣がはなつ言葉..「もしおまえが うんめいにあいされているのなら  どんなこんなんも のりこえていけるだろう....」。  ちょっと疑問に思ったことは、奥深いダンジョンの中ならともかく、街などで 仲魔をぞろぞろ連れ歩いてよく他の皆が驚かないなあ、ということである☆隊列 の位置がえで先頭を魔獣にすることもできるのだけど(ちゃんとグラフィックも 変わる)、それで一般の人に話しかけても平然と返答してくれる。..謎だ。  二種類の敵と戦闘になった時、片方が自分の仲魔と同じ魔獣だったりすると「 話せばわかる」状態になり、おとなしく引き下がってくれる。この時、もう1匹 の魔獣(仲魔にはいないヤツ)も一緒にいなくなるのでこれはきっと強引にずる ずると引きずられていったに違いない(笑)。  それと最後の城(?)で移動魔法が使えなかったのに、何故ラストボス倒した 後は使えたのだろう??(途中でここから出るのは相当苦労した。敵がものすご く強いし..数歩あるいてセーブ、逃げて追いつかれたらやり直しで、出口まで 命からがらたどりついたっけ..MP使い果たしちゃった時とかは悲惨☆(全滅 してマッカが減るのは嫌だし))結界でもはられていたのだろうか。 [魔獣あれこれ] *ハーピー..HP回復のデイを唱えられるため、弱くても前半は パーティに組み込んでいた。 主人公のディアマをかけるにはもったいないがHPをまんたんにして おきたい時にとても役立ってくれた。持ち物はあまり数を持てないの で、HP回復はほとんど魔法。MPの切れ目が旅の切れ目である。 *ミノタウロス..敵キャラだけど、やっぱり出てくれなきゃね、こいつは。 *ラクシュミ..最初これが出現した時には、バグか!?と思ってしまった☆パ ーティのレベルが確実に1ランク上がって嬉しかった。  ”ガイア”という力の概念が世界の人々の間にしみわたっていて、うまく世界 観を出せているなあと思った。でも、”ガイア”と”フォース”というテーマの 掘り下げはもう一歩かもしれない。主人公とサブキャラ2人のキャラクターの描 き込みも、もっとあっていいのではないかと思った。サブキャラ2の○○○○○ が□□□時も、しばらくしてから「あ..、そういやラムーの神殿に行ってみな くては..」とのんびり考えてしまった。  しかし、「○○ァ」の存在に気がつかず最後の闘いにおもむいたのは私だけだ ろうか...(どうりで、やたら厳しい戦闘だった...最初の一撃で主人公が 倒れるし☆)。その存在にようやく気づいたのはラストボス倒した後だったし、 思わぬところにいるあの人たちを仲間にしたのもすべてが終わってから☆  スタッフロール流れてからも旅ができるのが嬉しい(まだ、なんかありそうで 気になるなあ(笑))。  非常に遊びやすい。操作が快適で、テンポよくゲームを進めることができる。 かと言って話を味わう暇もないほど超高速スピードでゲームが展開する、という わけでもなく、ある程度力をつけながらでないとすぐ全滅してしまう。でも戦闘 が楽で苦にならないのですぐにレベルアップできるしお金も貯まりやすい。力を つけるまでは大変だけど、強力な仲魔が増え装備も充実してくると、がぜん面白 くなり、1ターン(←宿屋でフル回復して旅に出て「もうこれまでか☆」と帰還 せざるをえなくなるまで(笑))でどれくらいつき進めるか、限界に挑戦したく なる(ここでいったん宿屋に戻って回復しといた方がいいだろなあ、と思っても ”ええい、このまま行ったれ!”と持てる力のギリギリまで出して進むのだ)。  パーティーが弱いとすぐ全滅、というのは「女神転生」シリーズらしい気はす るが、普通あまり全滅をくらうとプレイする気が減少してしまう。この作品でそ れを救っているのはやはり操作の快適さである。武具を装備したり、魔法をかけ たり、とにかくボタンを押してあれこれ操作してるだけで気分が良いのである。 (このここちよさは、同じGBソフトの「セレクション」に通じるものがあるな) (武器、防具を装備すると力がどれくらいになったかメッセージが出るけど、「 どれくらい上昇(下降)したのか」はわかりにくい。すぐに装備を変更できるの で比べることは簡単なんだけど☆)  3DのRPGというのは雰囲気がわりと暗く、ずっとダンジョンにもぐったま まだと息苦しくなる気がするのだが、この外伝はフィールドタイプなので「女神 転生シリーズ?3Dタイプって苦手なんだよねー」という人でも気軽に遊ぶこと ができるだろう。行き詰まるほど意地悪な謎もなく、自力でクリアできた。
'93 11/5 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ハンディゲームマシン会議室 #404
(登録日 '98/5/6)
ソフト発売1992年12月備考なし

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