トップ
【ゲームボーイ】
『ゴッドメディスン』
<GOD MEDICINE-ファンタジー世界の誕生->
発売日 1993年7月20日
定価 4500
メーカー コナミ(→メーカーホームページ
内容  あるゲーム開発会社のビルに落ちた、ひとすじの雷(いかづち)。
 それがすべてのはじまりだった。
 主人公たち三人は小学生。ある日いつものように塾に行く途中、
 大変なものを見てしまった。実体化したゲーム世界の勇者たちと
 魔王が闘い、勇者たちが負けてしまったのだ! 彼らは力つき、
 もうすぐ光の珠と化そうとしている……その遺志を継いだ、三人
 の子供たち。ゲーム世界と現実世界、両方を救えるのは自分たち
 三人しかいない−−。


 最初はゲームシステムなどがファミコン版『ファイナルファンタジー』シリー
ズを思い起こさせて、なんだ真似じゃないか、と思いつつプレイしていた。HP
・MPの表示の仕方、「〜の書」というアイテムを使うことで魔法を覚えるシス
テム、セーブ画面や街の雰囲気などが似ているのだ。しかしストーリーが進むに
つれ、そんなことは気にならなくなり、ゲームに集中してしまう。FFに似てい
るのも、「人気ナンバーワンのゲーム」という設定を表現するために、あえて似
せたのではないかと思えてくるくらいである。
 もちろん独自の工夫もちゃんとあり、戦闘画面ではキャラ三人の顔を表示、ダ
メージや毒を受けたら苦しそうな表情をさせて視覚効果を出している。敵を倒す
と怪物が宝石の珠となることで、RPGの永遠のナゾのひとつ、「なぜ、敵をや
っつけるとお金が手に入るのか」にも納得のいく理由をつけている。また、ゲー
ムの途中から「まふうぶき」という武器を使用できるようになる。ある敵から得
られる特別の宝石(何種類か存在し、それぞれ効果が違う)をとりつけることに
よってパワーアップをはかれる。「武器に宝石をつける」のは何だかカッコよく
て好きだ(しかしこれはザコにはなかなか有効なのだが、ボス戦にはいま一歩使
えない気がする。使わないよりマシなので使うけど)。ゲージがいっぱいになっ
てからでしか技が使えない、この「まふう」システムは面白いけれど、4ターン
待たねばならない場合(ゲージ4の武器)はちょっとつらい。

 戦闘は、(終盤は別として)まずスムースに勝てる。が、毎回の戦闘勝利後、
フィールド画面に切り替わるまでのメッセージ表示が遅いため、妙にイライラす
る。メッセージ速度を変更できるようになっているとよかった(低年齢層プレイ
ヤーが読みやすいように、ゆっくりと表示しているのかもしれないが)。あと、
全体攻撃で一度に複数の敵を倒したときは、宝石化を一匹ずつ表示するのではな
く、全部いっぺんにやってほしい。
 店で売っている武器や防具は、ひとつの品物がひとりのキャラ専用のもので、
どれだけステータスアップ(ダウン)するかもきちんと表示される。どれを誰に
買ってやればよいか悩む必要がない。何かを買うと、その品物の表示がパッと消
えるのがいかにも「たった今買った」感じがして良い。カーソルが直前に選んだ
位置で固定してくれているのも、次々と連続操作が出来て快適だ。情報画面や買
い物画面になると曲のボリュームがしぼられたりもし、芸がこまかい。
 パッケージはゲームボーイにしては大きめの箱。説明書も大判。箱が大きけれ
ばよいというものでもないが、普通の小さいGBパッケージと比べると、開ける
ときにワクワクするのは確かである。説明書は漫画でおもしろおかしく構成され
ており、読みやすくて楽しい。設定資料集もある(敵の一団の組織図がなかなか
かっちりとした、まるで一企業のような体制で(笑)、侵攻の仕方がとても計画的。
……詰めの甘さはあるが☆)。

 あることをしないとイベントが起こらなかったりするが、行けるところは全部
行って、会話したり調べたりしていればほとんど詰まることはなく、さくさくと
遊べる。私は一度もいきづまらなかった。ただ、最重要アイテムは取り損ねない
よう配慮されているようだが、便利なアイテムを取り忘れたまま進んでしまう危
険性はある。すべての箇所をくまなく回らないと損である。
 プレイしていると、何だか「ドラえもん」の長編アニメを観ているときのよう
な気分になり、「日常の中の、ふとした非日常の魅力」を再確認させてくれる。
どこでもセーブO.K.で、気軽に楽しめるコマンドRPGだ。

'94 1/7 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ハンディゲームマシン会議室 #452(改稿)
(登録日 '97/6/18)
ソフト発売1993年7月備考なし

トップ