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【ファミコン】
『ナイトガンダム物語2 光の騎士』
発売日 1991年10月12日
定価 8200円
メーカー バンダイ(→メーカーHP
内容  ガンダムのキャラなどを設定に使ったRPGシリーズ 
 第二作め。


注:ネタばれ内容を含みます。

 6つの章から成り、最後の章では主要キャラが全員そろって悪にたちむかう。
(...というと、某有名RPGをちょっと思い浮かべてしまうな☆)

 操作性はよい。キャラクターがずんぐりしていて大きいので移動ものろいよう
に思えるが、意外とスムーズな移動ができる。今回のはゼータガンダムのキャラ
等が出ているようで、知らない名前がドカドカ出てきた(私はゼータガンダムは
観ていないのである)。さいわい、そのキャラを知らないとわからないギャグと
かはあまりないと思われるのでこれはもう、”ちょっと変わってるけど、ただの
キャラ名”だとわりきることにする。
 Aボタンで”あしもとをしらべる”ことができる。同じくAボタンで町の人と
”はなす”こともできるが、結構よく空振りする(Aを押す瞬間に相手にスイッ
と動かれてしまう(笑))ので、そんな時はむなしく地面を調べることになる☆

 戦闘の時、背後をとられると味方の隊列が逆に入れ替わったり(「ファイナル
ファンタジー」のバックアタックのよう)、先手をとると「チャーーンス!!」
ふいをつかれると「しまったあ!」などというセリフが出るのが楽しい。非常に
サクサク進んでレベルもぐんぐんあがるので、やっていて気分がよい。レベルが
あがるとHP、MP自動回復するのでいちいち宿屋に寄らなくてすむ。謎ときも
ちょうどいい難しさで、いきづまることはほとんどなかった。
 闘っているといきなり味方の武具がふっとばされ、戦闘終了後それを回収する、
という場面もあり、見ていてなかなかバラエティ豊かで楽しい戦闘である(すっ
とばされたものは再度装備しなければならないが)。敵の出現率は決して低くな
いけど、まあこんなものだろう。でもトータル的に見て戦闘にかかる時間の割合
は結構大きい。理不尽さは感じないが、ちょっと疲れるかもしれない。

 キャラクターの初期レベルが1でなく、あらかじめ、ある程度の経験が積んで
あるのが良い。いっつも不思議なんだよね、RPGで、説明書の設定ではわりと
強そうなんだけどステータス見ると経験値がゼロでレベル1っていうの(笑)。
 宿屋に泊まらなければセーブできないのは不便(HP、MPフルの状態しかセ
ーブできないのかなー(HP、MPの細かいデータまで保存する記憶容量がない
とか??カードダス関係とか、覚えとくこといっぱいあるからかなあ☆))。

 使えないアイテム、装備できない武具にバツ印がついてるのがわかりやすい。
 第三章までに入手したアイテム類が四章でほとんどなくなってしまうのは悲し
かった(しょうがないか..)。
 お金は最後の方になると余ってしまうのだが、最高値が65535でなくて安
心した(どのRPGでも、お金が貯まってきて65535に近づいてくると警戒
してしまう(笑)。ひょっとして65535で限界じゃないだろーなー、気がつ
かないうちにお金をドブに捨てるよーなマネだけはしたくないぞー☆たとえ使わ
なくってもだ(笑))。お金やアイテムの預り所がないのはちょっと残念。特に
アイテムは持ちきれなくなることがよくあった。

 このゲームの楽しさのひとつに、カードダスバトルがある。1枚20ゴールド
で販売マシンから買ってカードバトルするのだが、これが結構楽しい。買う時、
どんなカードが出てくるかなーとわくわくするし、バトルモードがこれまた良い。
前作の1にもカードバトルはあったけど今回はよりパワーアップしている。背景
が一部スクロール!負けるとカードを失うが、勝つと相手のカードを自分のもの
にすることができる(メンコみたい)。対戦してる時の実況が笑えるし、闘って
いるキャラがそのつどセリフをはくのが面白い。

 できれば、カードに経験値をとりいれるともっと楽しいと思った。普通のカー
ドダスでなく、せっかくのコンピュータバトルなのだから、カードが勝つと経験
値が書き込まれ、ある程度たまるとピカーーッと光ってレベルアップ、なんて想
像しただけで面白そうである(ふっふっふ、私のニューさまはレベル5だぞ、な
んて誇れるし(笑)。対戦では相手を見たとたん、どっちが強いカードかわかる
ので結果が見えてしまう時がある。でもレベル差があれば、弱いカードでも強い
のに勝てるかもしれないので勝敗が見えなくなる)。

 また、一度使ったカードがなくならず、負けない限り何回でも連続して使える
ので弱いカードを使おうという気にならない。なにしろおそらく最強のカードで
ある#170(ラストボス(笑))を使えばほとんど無敵なのだ(ただしヘルプ
カード”じじょハマーン”にだけは要注意☆私はコレで自ら墓穴を掘った)。
 このへん、制限を設けるなどしてもっと戦略性を高めてほしかった。まあ、ラ
ストボスのカードはなかなか入手しにくいようだけど(このソフトは中古で買っ
たんだけど、前の持ち主のデータは「キャラが全員最高レベル&お金も気が遠く
なるほど持ってる&カードも私よりずっと集まってる」にもかかわらず、ラスト
ボスカードは入手できていなかった)。このカードにはキャラのHP値が書いて
あるのでラストボスのHPまでわかってしまう(笑)。

 あと、カードを買ってて自分の持ってるのと同じのが出ると、たった数ゴール
ドでひきとられてしまうのが少し悲しい(同じカードを2枚以上持つことはでき
ない)。貴重なカードは買い値の20ゴールドより高く引き取ってくれるけど。
(超貴重カードが出るとビカビカと光ってくれるとこは嬉しいな)

 音楽はリズムがよくて好き(フィールドの曲なんかいいな)。効果音もいい。

 キャラが必殺技を覚えるのだが、これの戦闘画面のビジュアルが結構楽しい。
ボスにはほとんど効かないのが残念だけど(しかしダブルゼータの必殺技の修業
には、いいかげんプッチンきそーだった(笑)。”しらべる”をえんえん数十回
...何が「根気と忍耐力を養う」だよおっっ☆☆)。

 ちょっとしたアイテムや設定などを、その場限りでなく後の展開でも有効に使
おうとしているのがわかる。けど、必殺技、一部の魔法&アイテム類はほとんど
使わないままに終わってしまった。はっきり言って必殺技は見かけ倒しだし(笑)、
魔法も全部覚えないうちにエンディングだし(ソーラ系はついに一回も使わなか
った)。というのも「ドラクエ3」の”け○○○の○○”と同じくらい便利な、
「り○○○のゆびわ(う〜、伏せ字は面倒(笑))」という超強力アイテムがあ
るせいで、MP&HPはほとんどいつもフル状態を保てるのである。だから戦闘
でわざわざ攻撃&防御魔法を使わなくとも、多少のダメージはものともせず力押
しがきくのだ☆アイテムでは一体何に使うのかさっぱりわからないのがあった。
前作の1で、ある一定の範囲を偵察できる”かみひこうき(だっけ?)”という
ユニークなアイテムがあったが、今回は自分の周りを偵察できる”ハロ(そう、
知ってる人は知ってる、あのハロちゃん)”が登場。かわいい。

 最後の方の闘いはすっごく良かった。演出が大変に効いている。大物キャラが
最後に勢ぞろいするところはなかなか壮観ではあるが、ちょっと1人1人分散し
すぎていて中途半端な感じがした(主人公が誰だかよくわからない。アムロは最
初から出てこないし、ガンダムも最後で思い出したように出てくるし、この人が
いなければジオン打倒は無理だと言われていたアレックスさんは結局いなくても
変わらない気がするし...(ごめん(笑)>アレックス))。

 このゲームには結構、「のろわれていそうな武器・防具」が出てくる(いかに
も、って名前のヤツ)。でも装備しても”のろわれてしまった!”とか出ないし
強さがかなりのものになるので身につけてしまう(ほんとは「ジオンのよろい」
なんて、正義の味方が装備するもんじゃないよな☆)。ただし副作用もやっぱり
あるようで、いきなり戦闘中に動けなくなったりする..が”いっせい(攻撃)”
などの団体行動コマンド使ってればほとんど問題はない。このような悪の装備は
この作品のタイトルにもある”光”の装備と好対照をなし、”光”を際立たせて
いるように思う。よくRPGでは最後の方になるとキャラクターが超強力そうな
特別の”正義の装備”をするけど、もしこの作品でもそんなのを全員身につけた
ら、テーマに直結する肝心の”光の装備”は目立たなくなってしまっていたかも
しれない。

 前作の1をプレイしていても思ったことだけど、このシリーズのスタッフさん
の作品に対する姿勢が好きである。ゲームをプレイしていると、たまにフッと、
創った人がどんな人か見える時がある(顔までは見えないけど(笑)、意地悪な
トラップがあったりすると「ヤなことするな」とか、操作性がバツグンに良かっ
たりすると「ふむ、遊びやすいように気をつかってくれてるなあ」とか思うので
ある☆)。バンダイのSDガンダムシリーズ、と聞くだけでク○ゲーと判断する
人もいると思うが(いないかな?私は最初はそう思ってた)、なかなかどうして、
そんじょそこらのB級RPGよりずっと面白い。設定こそガンダムのを使ってい
るけど、その他のゲームシステム、シナリオなどよく練られていて、新しい試み
もあったりして楽しめる。セリフも人間くささが出ていて(あ、モビルスーツ族
は人間じゃないけど)笑える。心がなごむ★

 ただ、これはこのソフトに限ったことではないけど、目の前のイベントに集中
するあまり、ふっと気がつくと「あれ...?私は一体何のためにこんなことを
しているのだ?えーっと確か、そうそう、一番悪い奴を倒して世界に平和を取り
戻すんだったな..ん?最後の敵の名前なんだっけ」などと最終目的を見失う時
がある。原因はちっとも危機感のない平和な町の雰囲気(カードダスで遊べちゃ
うし)&音楽か、はたまたどう見てもやり方の手ぬるい敵の攻撃か...。もっ
とも、あまり悲惨な状態だったり陰鬱な曲ばっかり流れてたのではプレイしてて
暗〜い気分になってしまうのだが☆(うーん、むずかしい)

 ともかく、設定を活かしつつ最大限に面白いものを創ろうとする姿勢がとても
よく感じられる。SDガンダムシリーズ、ってことで子供向けソフトかもしれな
いが、RPG好きな人なら楽しめる作品だと思う(SDガンダムなんてチャチく
さくてやってられないという人もいるだろうけど☆)。この作品のスタッフさん
達には”いいものを創り出す力”がある。一度、ガンダムシリーズ以外のオリジ
ナルものも創ってみてほしいなあと思ったりする(私が知らないだけで、出てる
のかな?バンダイのソフトって、やっぱりキャラクターものが多いってイメージ
あるから)。
'93 8/13 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ファミコン&スーパーファミコン会議室 #510
(HP登録日 '98/7/8)
ソフト発売1991年10月備考なし

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