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【ファミコン】
『がんばれゴエモン外伝2〜天下の財宝』
発売日 1992年1月3日
定価 6980円
メーカー コナミ(→メーカーHP
内容  和風コマンドRPGシリーズ第二弾。


 さすがに前作の1からしばらく時間がたっているせいもあって、コマンド関係
などにいくつかの改善が見られる。完璧とは言えないが、全体的にみてずいぶん
親切でスピーディになった。非常に遊びやすい。町の人から情報を得ると、「じ
ゃあ次はこうしてああすればこうなるな」という図式が簡単に組み上がる。今回
は謎で詰まることはなかった。

 ゲーム開始後、しばらくの間(最初のポイント攻略まで)セーブができないの
はちょっと気になる。よほど無理しないかぎり全滅しないが、万が一全滅すれば
名前入力からやり直し、長いデモを再度見なければならないはめにおちいる。

 戦闘はメッセージ表示が極力はぶかれ、ダメージ&回復ポイントの数字が浮き
上がる表示になった。キャラがアニメして戦う。表情や動作がとってもかわいい。
コマンド入力待ちのときにキャラクターが「どうする?」と聞いているみたいに
プレイヤーのほうを向いてくれるのがうれしい。たいていのRPGでは画面中の
キャラはプレイヤーの存在を無視するから、これはけっこう新鮮かもしれない。
敵の絵も「通常」「攻撃時」「ダメージ受けたとき」とそれぞれ変化して楽しい。
どれくらいダメージを与えたかが段階的に絵で表現されるので手ごたえが伝わる。

 戦闘バランスは今回も良い。強すぎず弱すぎずで、ちゃんと調整をとってくれ
ているなと思える。一度も全滅しなかった。不必要な回り道もしなくてよかった。
きちんと装備さえ整えてあれば、オートバトルにしておいても負けない(ボス戦
除く)。たまにオートでつらいときは、自分でコマンド入力して戦闘を楽しむ。

 ただ、やっぱりマップが広くて長々と歩かされるし敵との遭遇率も高いので、
オートバトルがあるとはいえ、ちょっと疲れてしまう。ザコ戦の多さにうんざり
する。それをふせぐために敵のグラフィックを個性あるものにしたり動きをつけ
たりして工夫してあるのはわかるが、焼け石に水な感じがする。起こるイベント
にも緊張感があまりないので、どうもダラけてしまう。終盤ではザコ戦が嫌にな
ってしまって逃げてばかりいた。レベルさえあれば逃走は成功しやすいようだ。
それでもボス戦で困ることはなく、ちゃんとした勝負ができる。全力を出して、
そろそろ苦しい..と思ったときにちょうど倒せる、いいボス戦ばかりだった。

 お遊び的要素がさらに充実した。たくさん買い物するとその量に応じて「ベル
くーぽん」という券がもらえ、それを賭けて数種類のミニゲームで遊べる。3D
ダンジョンを抜け出るゲームまで用意されており、けっこう凝ってておもしろい。
券をたくさん集めると非売品アイテムと交換できるのは、「ドラゴンクエスト」
シリーズのカジノのよう。
 体力と引き換えにお金を入手できる「アルバイト」はゲーム後半にならないと
できないのだけど、どうせならゲーム前半にあるほうがありがたかった。終盤で
は強力な装備をダンジョン内で見つけるので買い物等にかかる費用が非常にすく
ない。お金がたくさんあってもあまり意味をなさなくなっていて、膨大なムダ金
が貯まってしまい、むなしい。ベルくーぽん用に使えということなのだろうか。
ちょっとやそっとでは買えない金額の商品を用意しておいてくれてもよかった。
 曲は、前作のほうが好きかなあという気はするけど今回も良い。効果音もいい。

 革命的な要素はないけれども、スムースに楽しめる出来。町などで情報収集&
買い物→ダンジョン探索(アイテム発見)→ボス戦、という似たようなパターン
の繰り返しで進んでいくので少々、展開が平板な印象を受ける。とにかくRPG
で遊びたいという人なら“安心して”楽しめる作品だが、通常のRPGに飽き飽
きしている人だと、ちょっとばかり疲労を呼ぶかもしれない。ていねいによくつ
くられてはいるが大作の迫力はなく、小粒のきらめきといった感じ。気楽にプレ
イして、「まあ、こんなものかな」と思いつつ終了した。
 それにしても、すこし..ほんのすこし、「スタッフの“作品にかける愛情”」
が前作よりも減少したように感じるのは、私の気のせいだろうか..。
'94 7/22 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ファミコン&スーパーファミコン会議室 #2060
(登録日 '98/7/29)
ソフト発売1992年1月備考なし

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