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【ニンテンドーDS】
『スーパーロボット対戦K』
発売日 2009年3月20日
定価 5800円(税抜)
メーカー バンダイナムコゲームス(現:バンダイナムコエンターテインメント)(→メーカーホームページ
内容  アニメなどのロボットが共演するシミュレーションRPGシリーズ。
 ニンテンドーDSでは2作め。参戦作品:
「破邪大星ダンガイオー」「オーバーマン キングゲイナー」
「蒼穹のファフナー」「電脳戦機バーチャロン マーズ」(セガのゲーム)
「機動戦士ガンダムSEED」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」
「機動戦士ガンダムSEED C.E.73-STARGAZER-」
「マジンガーZ」「ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU」
「鋼鉄神ジーグ」「機獣創世記ゾイドジェネシス」
「神魂合体ゴーダンナー!!」
「神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON」「ガン×ソード」

■ニンテンドーDSとロボットアニメは、スパロボのためにある

「もう少し、画面が縦に長かったらなぁ」

と、ゲームボーイアドバンスのゲーム開発者は思ったに違いない。
ゲームボーイアドバンスは、横長の画面(モニター)の携帯機。小さな画面の
ゲームボーイよりは広くなったが、縦の長さは足りてない。
あまり縦にも長くすると、携帯しづらい大きさになってしまう。そこで、ゲー
ムボーイアドバンスの後継機のニンテンドーDSは、上下2分割の画面(タッ
チペンが反応するパネルは下側だけ)になった。半分に折って開け閉めすれば、
携帯する大きさとしても問題ない。
まさに、スパロボのために作られたと言っても過言ではない。DSはスパロボ
にとって、操作性と視認性にかなりメリットがあるゲーム機なのだ。

据え置き機なら、テレビをモニターにできるので、1画面にウィンドウ以外の
部分を同時表示する余裕があるが、横長の携帯機ではスペースが足りない。
ニンテンドーDSは上下2画面あるので、1画面だけのゲーム機より、表現が
しやすい。ただでさえ画面が狭い携帯機を、広く使って表示できる。
1画面だけだと「マップの上に、ウィンドウをかぶせる」ダブり表示で狭苦し
いが、2画面あれば、片方の画面にマップを、もう片方にウィンドウを、分け
て表示できて見やすい。画面を切り替えたりウィンドウを開閉する手間を最小
限にできるメリットは大きい。(スパロボ以外のソフトでもメリットあるが、
戦闘ユニット数と情報量が多いスパロボには特効)

スパロボのメッセージ文字は大きくて読みやすいのが長所だが、画面が小さい
携帯機では、漢字を読みやすく表示するのが難しい。「無理に画数の多い漢字
を使わなくても」と思ってしまうことがあるのだが、漢字を使わないわけにも
いかない。この『K』は、メッセージのフォントが「漢字以外は小さめ、漢字
は大きく」表示され、非常に読みやすい。漢字がつぶれて読みづらい、という
ことがほとんどない。
ひらがなと漢字を同じ大きさで表示すると、狭いスペースに入りきらないこと
があるので(上下にセリフのウィンドウが3行ずつあるので、背景グラフィッ
ク部分が狭くなる)工夫した結果。すべての字を均等な大きさで表示しなけれ
ばならない、ということはないから、何か名前をつけたいくらい(「漢字だけ
拡大フォント」とか)、非常に良いフォント表示である。

2ユニットにコンビを組ませて一緒に移動し、お互い援護防御や援護攻撃をす
るパートナーシステム(敵も同様)。コンビを組むと、敵コンビ2機を同時に
攻撃する「アタックコンボ」はできなくなる。
いつものスパロボでは、戦闘で破壊された味方ユニットは修理費用を払うのが
ペナルティだったが、『K』では無料。得た資金は改造のみに使われる。ある
程度の手ごたえある敵だと味方の損害が多くなり、修理費用がかさみすぎると
改造資金がなくなる→強くなれない、の悪循環となるので、修理費用は食費や
生活費と同じく「改造資金とは別計算で支払っている」ことになっているよう
だ。倒されたキャラは、そのステージで経験値を得られなくなり、味方戦力が
減るペナルティのみ。
このへん、難易度が低めになっているので初心者向けだろう。修理ユニットや
補給ユニットも多めに用意されているし、何ターン以内にクリアしなければな
らないといった制限もない。だから簡単というわけではなく、破壊損害をゲー
ムバランスとして考慮しなくていい分、油断すると破壊されがちな難易度にな
っている。

残念ながら戦闘時のキャラ音声は無いが、絵の動きは非常に活発で、勢いよく
スピーディに動き(セリフ音声が入らないから速いのかも)、見ごたえある。
ちゃんとカットイン(攻撃キャラがアップで動いて表示される)や、アニメー
ションも入る。戦闘シーンはボタンひとつですぐ途中終了させられるので、戦
闘シーンを「ON」にしていても、とばしたい部分は省略可能。

『K』の参戦作品で有名なのは「マジンガーZ」「ガンダムSEED」くらいで、
他はマイナーな(聞いたことない人が多そうな「知る人ぞ知る」)ロボットが
多い。
マジンガーZのような巨大スーパーロボットアニメは昔に作られたものが多く、
近年は、ほどほどの大きさのリアルロボットがメイン。
懐かしいロボットアニメ作品をゲームで蘇らせるのがスパロボだが、ロボット
アニメの数は、昔ほど多くはない。ロボットアニメが作られなくなってしまう
と、(既存キャラが魅力的でも、同じネタを何度も繰り返せば)スパロボの新
鮮味が薄れる。だからロボットアニメも作らねばならない、という「スパロボ
のためにロボットアニメを作る」逆現象が起きているのかもしれない。

やっぱりスパロボは面白い。と、再認識させられる。特に携帯機だと、ちょっ
とした時間に少しでも進められるし、TVを接続してモニターにする据え置き
機とは違って画面を間近で見られるので、絵の細かいところまでよく見える。
机の前に座って、電源を入れて立ち上げるまで少し時間のかかる据え置き機と
は違い、電源を入れて、すぐ(ゲーム機の起動画面や、ゲームスタート画面を
経由せずに)プレイ再開でき、物語の途中でも戦闘の途中でも、本体のフタを
とじればスリープ状態にできる携帯機は、ストレスなく、自分のペースで好き
な時に気軽に楽しめる。
戦闘曲を聴いているとプレイヤーの気力も上げてくれるスパロボは、ちょっと
疲れた時の息抜きにピッタリだ。

(HP登録日 2023/6/20)
ソフト発売2009年3月備考なし

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