RPG/1994.12.2発売 /カプコン/9980円 |
さまざまな種族の仲間たちと旅するコマンドRPGシリーズ続編。 仲間の特徴を使い分けつつ進むゲーム展開が面白い。仲間が何人かいて、 そのキャラクターが必要となるエピソードを交互に配置することで、ひとり ひとりの個性をじっくりと描いている。仲間が増えると戦闘に参加しない待 機メンバーが出るから、こうすれば、キャラクターの成長もかたよらない。 それぞれが自分らしく生きている、共感しやすいキャラクターたちだ。キャ ラクター描写とストーリー展開に魅力があり、配曲の工夫による雰囲気の盛 り上げかたもうまい。 セリフウィンドウに表示される美しい飾り“ドラゴンズティア”は、話す 相手の感情心情を色で示してくれる不思議なアイテム。言葉は、心と裏腹の ことがある。隠された相手の本心を見抜くことで、セリフに深みが生まれる。 仲間からの信頼度も知ることができるが、軽い演出のための飾り物で終わっ ているので、たとえば推理小説の謎解きのように、相手の反応を見ながら反 応を選択する場面をもっとつくるとか、信頼度が上がると、それまでやらな かった何かができるようになるとか、戦闘で相手をかばえるようになるとか、 もうひと工夫あれば、もっと“信頼されている”実感がわいて、よりきめこ まかい描写になり、システムとしての深みも出たのではないだろうか。とも あれ、言葉には出さないけれど信頼してもらっている、とわかるのは何とな く嬉しいことだ。 戦闘画面の体力ゲージは攻防の状況を視覚的にとらえることができ、わか りやすい。ダメージの数字が出るだけでなく、ゲージの減り具合で受けたダ メージの大きさが瞬間に、感覚的に伝わってくる。 敵はザコ戦でも強く、遭遇率も高い。戦闘バランスはキツめで、手ごたえ ある難易度。自動戦闘ができるので楽だがボスは結構強く、しっかり準備し て上手に戦わないと、敗北して何度も再挑戦、そのたびに同じ場面を繰り返 して見るはめになる。 キャラクターの戦闘不能を治す「きつけ薬」が初期段階でかなり高価、他 に回復方法がなく、迷宮からの瞬間脱出&町への瞬間移動の方法もない。誰 かが倒れると、ずっとその状態のまま命からがら歩いて帰るはめになる。補 給アイテムは大量に用意しておく必要がある。 アイテム欄では「せいとん」することで同じ名称のものを9個ぶん、ひと つの枠にまとめられるが、同じ種類のアイテムは入手時に自動的に同じ枠へ まとまるよう加算していってほしかった。アイテム欄がいっぱいになったら、 いちいち画面から抜けて「せいとん」、また売買画面に入り直さねばならな いのは面倒だ。 また、前回選んだコマンドを記憶しないので、自動戦闘を使わないボス戦 などの場合、使いたい魔法がウィンドウの下のほうにあると、選ぶのに時間 がかかる。 瞬間移動の魔法がないから町の名前が選択できず、場所の名前がわからな い。教えてくれる人や看板がなく、町に入って町名表示も出ない。知る手段 を残しておいたほうがいいと思う。瞬間移動方法がないので徹底的に歩かさ れるが、あまり苦にならないのは戦闘のテンポが良いからだろう。「狩り」 や「釣り」など、こまかいアイデアを途中に入れることで、退屈させないよ う工夫もされている。 宝箱を開け、装備やアイテムを充実させつつ進むオーソドックスな展開。 時々いきづまりやすい部分もあるが、順番に攻略していく安心感のようなも のがあり、遊びやすく楽しめるゲームである。 |