『ジャングル ウォーズ2』
<JUNGLE WARS 2 古代魔法アティモスの謎>
発売日 1993年3月19日
定価 9500円
メーカー ポニーキャニオン
内容  コマンドRPG。ゲームボーイ版の続編。

 明るくてユーモアあふれる戦闘と、全体を覆う、ほのぼのとした空気。「ドラ
ゴンクエスト+桃太郎伝説」という雰囲気のコマンドRPGです。ゲームボーイ
版の前作同様、非常に遊びやすいですね。細部までいろいろと工夫がされ、シス
テム操作にわずらわしさがありません。ボタンひとつでオートバトルを選択でき、
戦闘は快適です(マニュアル操作の場合でもメッセージが自動で流れてくれるの
で、Aボタンを連打してなきゃいけないということもありません)。
でも、オートバトルばかりやらせていると仲間が倒れてしまうこともあります。
易しすぎず難しすぎないように戦闘バランスが計算されており、じつに気持ちよ
くレベルが上がっていくのです。
 主人公はジャングルに住む少年。いわゆるターザン。仲間の動物たちと一緒に
個性的な戦いをくりひろげます。戦闘中にダメージを受けるとキャラクターの表
情が変わるのが、親しみやすくてよいですね。戦闘メッセージや住人のセリフも
心がこもっていて、温かい感じがします(ところどころ、「状況が変わったのに
メッセージの内容が古いまま」(イベントスイッチ切り替えのチェック不足)と
いう箇所が目についたのはちょっと残念でしたが)。フィールドを歩いていて、
時間がたつと夕方になって夜になり、曲がかわるのも良いです。

 「どうして、こんなことをやらねばならんのだ?」と思わせるような強制イベ
ントは少なく、ストーリー展開や設定がすごく自然です。「泉の水を飲む」こと
で体力が回復するのは、(1)ジャングルらしさを演出し、(2)主人公の野性
味を際立たせ、(3)事件を急いで解決しなきゃならないときにノンビリ何日も
宿泊している不自然さをなくす、という効果があります。他にも、病院の「検査」
によって次のレベルまでの経験値を知ることができるなど、ゲーム世界の雰囲気
を壊さないよう、システムが組まれているのがわかります。要らなくなった品物
は割のいい値段で買い取ってもらえるし、病院の治療費も格安。さらに、どこで
もセーブが可能。とってもユーザーフレンドリーな設計ですね。

 後半、敵との遭遇率が少々高すぎるように感じましたが、全体を通して気のき
いたアイデアがいくつも盛り込まれていて楽しく遊べたし、よく出来ています。
とりたてて欠点は見つからないのですが、あえて言うなら「いい人だし、好きな
んだけど……強烈にひかれる“何か”が感じられないの。だから、お友達でいま
しょ」という感が、なきにしもあらずでしょうか(笑)。どこかに突出した魅力が
ほしかった気はしますが、プレイしていて心に優しいRPGです。
'96 9/15 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ファミコン&スーパーファミコン会議室 #26638(改稿)
                    (登録日 '96/11/6)
ソフト発売1993年3月備考なし