『サンサーラ・ナーガ2』

発売日 1994年7月22日
定価 9800円
メーカー ビクターエンタテインメント
内容  竜を育てるコマンドRPG。ファミコン版の続編。


注:ネタばれ内容を含みます。
 中盤でしばらく放ってあった『サンサーラ・ナーガ2』を、ようやくクリアし
ました。雰囲気は悪くないのですが……ストレスのたまるゲームでした。桜玉吉
さんの絵がかわいらしく、妙な味があるのは前作同様なんですが、戦闘が単調で
いまいちワクワクしません(これって1994年発売なんですね。意外と新しいこと
に驚いてます……画面がファミコンみたい)。

 私は前作を、最後の最後で放り出した人間です(笑)。当時(もう何年前になる
かなー)、まだコンピュータRPGにハマりだしたばかりの初心者プレイヤーだ
ったので、最後の複雑な迷宮(に見えた)で先に進めなくなり、クリアをあきら
めてしまったんですね。ちゃんとマッピングしたにもかかわらず、出口がわかん
なくなっちゃって(笑)。前作はやたら戦闘バランスが悪かった(少しハミ出して
歩くと、メチャクチャ強い敵が出てくる)記憶があるのですが、今回はそれほど
でもなかったような気がします。でも、エンカウント率が高くて、しんどかった
です。

 竜を育てるのは苦労しましたが、最初は弱っちかった奴らがだんだん成長し、
表情がふてぶてしくなっていくのを見るのはちょっと感動でした。川井憲次さん
の曲も、なかなかいいですね。でもボス戦には通常戦闘の曲を使うんじゃなくて、
もっとノリのいいのを用意してほしかったなぁ(川井さんの曲って、ノリがいい
から。らんま1/2の曲、好き)。

 「監督:押井 守/脚本 伊藤和典」のアニメ映画(「パトレイバー」だった
と思う。「うる星やつら」は違ったかな?)を以前観たとき、「どこか夢のよう
で眠くなりそうな、不思議な雰囲気」を感じたのですが、それは(同じ彼らの手
による)この作品にも現われているなと思いました。テーマが高尚すぎて、理解
しにくい。もう少しラストまでに伏線を張りめぐらせておかないと、やけに唐突
で消化不良な印象を与えてしまいます。余韻を残す終わりかただとも言えますが、
訳わかんない人もいると思うな。(私は一瞬、「これはバグったのか!?」と思
いました☆)

 訳わかんないといえば、謎解きが非常にひとりよがり、という点がかなり気に
なります。「こんなのわかるわけないだろー☆」と画面に向かって突っ込み入れ
てしまうような、わかりにく〜い謎解き。幸い、私はすべて自力で解くことがで
きましたが、とにかく不親切さが目立ちます。非常にいきづまりやすいですね。
あの、ただの模様にしか見えない床の、どこが宝箱なんだ。壁が少しへこんでる
くらいじゃ、そこから中に入れるなんて気づかないぞ。開発者にはわかっている
記号(グラフィック&メッセージ)でも、プレイヤーから見たら全然わからない
ことがある、ということを念頭に置いてゲームをつくっていただきたいものです。

 最後に「SEE YOU AGAIN!」とメッセージが出てきたり、説明書
に次作が出るかも、みたいなことが書かれてたりするので、続編を開発中なので
しょうか。『ドラゴンクエスト』が発売されて10年。「ドラゴン・マジック(ド
ラクエの人気にあやかって、「ドラゴン」を素材にしたゲームがいくつも出て、
また、それがそこそこ売れる)」の力も、昔ほどにはなくなってきてるように思
います。このシリーズのウリは「竜を育てること」ですが、もし次作が出るなら、
そのアイデアのみに頼りきらず、一本のゲームとして質の高い作品となるよう、
がんばってほしいところです。


'96 9/11 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ファミコン&スーパーファミコン会議室 #26376(改稿)
                    (登録日 '96/11/6)
ソフト発売1994年7月備考なし