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【プレイステーションポータブル(PSP)】
『ジャンヌ・ダルク』
発売日 2006年11月22日
定価 5040円
メーカー SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント )(→メーカーホームページ
内容  若くして火刑に処されたジャンヌ・ダルクの設定を使った
 シミュレーションRPG。


■ジャンヌ・ダルクに捧げる、パラレル・ストーリー

 ゲームキャラクターに使われている歴史上の人物には、日本の戦国時代の
織田信長、中国の三国志の劉備玄徳たちなどがいる。歴史に名が残る人物は
それぞれが個性的だから、オリジナルキャラクターよりもインパクトがある
し、皆に知られているキャラクターなら、プレイしてもらいやすい利点もあ
るのだろう。
−−ジャンヌ・ダルク。
その名を聞いたことがある人は結構いると思うが、名前は知っていても、ど
ういう人物なのか詳しくは知らなかったりするのではないだろうか。
彼女は中世ヨーロッパにおけるイギリスとフランスの百年戦争で戦い、途中
で敵に捕らえられ、火刑にされてしまった実在の人物である。
ジャンヌ・ダルクをゲームに使っている例は、多くない。
ジャンヌの活動期間が短く、わずか19才で死んでしまったため、題材にし
づらいのかもしれない。

 一介の兵士であるジャンヌが、いくら功績をあげたとはいえ、なぜ後世に
知られるほど有名になったのか。理由のひとつは、最期が悲惨だったためだ
と思われるが、このゲームでは「特殊な力を持つ腕輪を身につけて変身でき
るようになる」という設定を作って、ジャンヌが普通とは違うパワーを持っ
たキャラクターであることを演出している。
 ただ、この変身システムを他の数人のメンバーも使えるようにしたため、
ジャンヌだけが凄いのではないという感じになってしまったのは、ジャンヌ
が主人公の物語にしては、ジャンヌのカリスマ性を少々、弱める結果になっ
てしまったかもしれない。ゲーム的には面白いが。

 腕輪の力により、変身した姿になると、特別な技を使えるようになるだけ
でなく、「神獣」という特性があらわれる。敵を倒すと、もう一回連続で行
動できる。ひとつ倒して、次のも倒すと、さらにまた行動可能。通常状態と
のスピードの違いがわかる、いいシステムだ。
 各ステージにはクリアまでの制限ターン数が決まっているので、きびきび
した行動を強いられる。適度な手ごたえの難易度。雰囲気の出ている音楽と
背景グラフィック。きちんと主役でゲーム化されたことのなかったジャンヌ
・ダルクを、うまくゲームに仕上げてある。
 ドラゴンなど、ファンタジー世界のモンスターも登場し、ストーリー展開
は事実と違う部分もあるが、ジャンヌがたどった道のりを進み、プレイヤー
はジャンヌ・ダルクという人物に想いをはせる−−。
 短い人生で燃えつきたジャンヌ・ダルクの存在が人々の心から忘れ去られ
ないように、このゲームは作られた。そう、思える。
(HP登録日 2007/1/14)

ソフト発売2006年11月備考なし

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