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【プレイステーション2】
『真・女神転生III−NOCTURNE(ノクターン)』
発売日 2003年2月20日
定価 8190円
メーカー アトラス(→メーカーホームページ
内容  悪魔を仲間(仲魔)にして戦う3DダンジョンRPG『女神転生』 
 (メガテン)シリーズ続編。


■魔界化したトーキョーで、悪魔となりて戦え

人間が悪魔を従えて戦闘する『女神転生(メガテン)』シリーズ。
平凡に暮らしていた人間が、悪魔とパーティを組んで戦闘するなんてことは
普通、できないものだ。悪魔をこわがるのがまともな感覚だろうから。
今回、主人公は悪魔になる。
悪魔なら、突然の環境変化にも驚かず、平気で悪魔と戦える。
人間には使えない力も使える。
悪魔と言っても、人間に近い外見を保ってはいる。が、この主人公、どんな
出来事にも冷静で、人間らしい感情が薄い。
戦闘で話をする敵悪魔の反応の方が、まだ人間らしく思えるほどだ。
悪魔が多数うろつく、魔界化したトーキョー(東京)各地を、悪魔になった
主人公は進んでいく。
悪魔と戦い、悪魔を仲間(仲魔)にしながら。

戦闘中、悪魔と会話できるのがメガテンシリーズの特徴だが、今回、独特な
のが「プレスターン」システム。
「1ターンで各キャラがそれぞれ1回ずつ行動する」のではなく、何も行動
せず「次に回す(行動をスキップする)」、あるいは「敵の弱点を突く攻撃
をする」と、1回分の行動が半分の消費ですみ、より多く行動できる。
敵に対して有効な行動をとれない仲魔の番をとばして、その分を有効な行動
ができるキャラに回せる。
行動が失敗すると残りの行動回数が一気に全部なくなり、相手ターンに切り
替わってしまったりもする。
攻撃を「反射」「無効化」する悪魔もいるので、主人公が全体攻撃をしたら
全員分のダメージ反射、あっという間にゲームオーバー。なんてこともある。
「即死攻撃」をくらったりもする。
(主人公のHPがゼロになるとゲームオーバー)
相性や戦い方によって、戦闘の行動回数が減ったり増えたりする(敵・味方
どちらも)。この変化が、普通のコマンドRPGとは違う起伏(どうなるか
わからない臨場感)を戦闘に与えている。
自動戦闘はあるが、上記のシステムによって自動にまかせきれない。敵の特
性をちゃんと見て戦わないと、ゲームオーバーになりやすいのだ。

3DダンジョンRPGが好きな私でも、このゲームのクリアは大変だった。
かなり、ボリュームたっぷり。
ダンジョンにはワープポイントがあり、同じ場所に何度も戻されたりして、
攻略のしがいがある。複雑な通り方をしなければ進めないところもあるので、
いきづまるプレイヤーもいるはず。
強いボス敵を倒せないと先へ進めず、同じ場所を何度も回って戦闘ばかりす
ることになる。
いきづまっている間、戦闘・悪魔交渉・悪魔合体以外に取り組める目標が少
ないのが、やや物足りないところだ(その時点までのマッピングが完成して
いると、特に)。
装備のつけ替えは「マガタマ」だけ。
それぞれの「マガタマ」にはいろんな特性があり、スキルを覚えていく。
より良い装備に買い替えていく(買い物する)のはRPGの楽しさのひとつ。
それがとてもシンプルになっている。楽ではあるのだが、楽すぎて満足感は
薄いかもしれない。
悪魔との交渉を充分におこなえるだけのダンジョンの広さはあるが(特に後
半)、ずっと戦闘だけが続くと疲れてくる。
3DダンジョンRPGが好きな私でも、だ。
セーブポイントまで瞬時に戻る方法がないため、セーブポイント(ターミナ
ル)にたどり着くまでゲームを中断できないのも、戦闘の負担を増している
(その方が緊張感はアップするが)。

戦闘メインでストーリー性が薄い3DダンジョンRPG『ウィザードリィ』
が面白いのは、戦闘後に開ける宝箱に何が入っているか確認する楽しさがあ
るから。レア・アイテムが見つかると嬉しい。
『真・女神転生3』には、新しいアイテムを入手する喜びが少ない気がする
(マガタマ集めはあるが)。
『女神転生』シリーズのウリである「悪魔合体&交渉」システムはよく出来
ていて、悪魔はそれぞれ個性的に描かれている。合体するだけでなく、成長
すると変化する悪魔もいる。悪魔と交渉して仲間に引き入れ、合体を繰り返
してパーティを強化していくのは面白い。「プレスターン」システムもいい
アイデアである。
しかし、いくら面白くても合体と戦闘ばかりでは物足りない。
ていねいに仕上げられており、完成度は高いが、連続する大量の戦闘疲労を
緩和する、戦闘以外のシステム(気分転換になる、何らかの達成感ある目標)
や物語展開がもう少しあれば、より面白くなったと思う。

(HP登録日 2008/5/25)

ソフト発売2003年2月備考感想

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