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【プレイステーション2】
『グランディア エクストリーム』
<GRANDIA XTREME>
発売日 2002年1月31日
定価 8190円
メーカー エニックス(現・スクウェア・エニックス)(→メーカーホームページ
内容  コマンドRPGシリーズ『グランディア』。


■こだわりの戦闘をたっぷり召しあがれ

 『グランディア』『グランディア2』の次に発売された、ナンバーなしの
『グランディア』が、この『エクストリーム』だ。
 なぜ3作めとして発売されなかったのかというところに、『エクストリー
ム』の独自性がある。
 ひとつの村をホームグラウンドにして、そこから各地へ出かけ、また戻っ
てくる。ひとつの村で、装備やアイテムの売買・回復など、必要な準備をす
べてすませる。『グランディア』の1と2がそうであるように、町から町へ
移動しながら攻略していくRPGではない。戦闘システムは前作のものをア
レンジしてあるが、前作までの『グランディア』とは趣向が少々違うという
ことで、この作品は『エクストリーム』として発売されたらしい。

 『エクストリーム』の行動範囲マップは、「世界各地を旅するタイプ」の
RPGと比べると狭い。そのかわり、同じ場所へ何度も行っても飽きにくい
探索ができるよう工夫されている。
 落ちているアイテム・宝箱の位置や内容が、行くたびにランダムに変化す
る。マップ構造が変化する「自動生成ダンジョン」もある。入手アイテムに
はいろいろな種類があり、常に新しいアイテムを発見・回収できるのが楽し
い。
 主人公たちのレベルにあわせて敵のレベルが自動的にアップするため、ボ
ス以外の通常戦でも、戦いがいがありすぎるくらい敵が強い。「以前行った
場所の敵を楽に倒せる」ということが少なく、どこへ行っても自分たちより
レベルの高い敵が出てくる。強力な技や魔法を遠慮なくガンガン使っても、
いい勝負ができる難易度。非常に手ごたえがある。パーティ全員、自動戦闘
で戦えるが、自動にしていると全滅の危険もあるので油断できない。

 RPGの戦闘では普通、敵と味方ひとりずつに、戦闘フィールドでの「立
ち位置(ポジション)」がある。敵の反対側に味方が位置し、それぞれの場
所からひとりずつ行動しては、定位置に戻るのを繰り返すものが多い。
 しかし、『エクストリーム』の戦闘には、決まった固定位置がない。各自
が自由にあちこち移動して敵と味方が入り混ざり、その時々の状況で臨機応
変に、移動を含めた行動をとる。
 敵が攻撃寸前の状態だったら、「キャンセル」攻撃で相手の行動を止めさ
せる(いいアイデア)。敵の目の前から、別の場所へ移動して回避もできる。
行動順(スピード)によって、キャンセルが間に合わなかったりする、臨場
感あるバトル・フィールド。1体の敵を倒した後、続けてすぐ別の敵を攻撃
するテンポの良さもいい。「実際の戦闘では、きちんと整列したまま戦える
わけではない」という点で、リアルな動作を実現している。よく出来ていて
魅力的な戦闘システムである。
 技の使用で消費する「SP」ポイントシステムも、すぐれモノ。魔法のM
Pは使えばなくなるが、SPは戦闘中に少しずつ回復するので、MPがなく
なっても戦い続けられる。息の長い探索活動ができるわけだ。

 戦闘中にひらめく技には、各個人の「必殺技」と、複数人数の「合体技」
があり、それぞれにレベル段階が設定されている。レベル設定がなければ、
一部の気に入った技・メンバーしか使わない、ということになりがちだから、
「どの技・どのメンバーも(レベルを上げるために)均等に使わせる」ため
の目標となる。パーティメンバーを入れ替えて、各キャラの個性を楽しみ、
技のレベルを上げていく。
 スキルを装備すると、さまざまな効果が得られるスキルブックはスキルの
種類が豊富。スキルを売却してポイントをため、レアアイテムと交換したり、
2つのマナエッグを合成すると別の魔法が使えるようになるのも、いいシス
テムだ。

■おなかいっぱいの通常戦闘。手ごわいボス戦、おかわり!

 通常戦闘でも毎回しっかり気を抜かずに戦わないとゲームオーバーになり
かねないため、後半になると、戦闘疲れを起こす。通常戦闘の割合が多すぎ
るのだ。次の階へ移動すると戻れなくなってしまう場合がよくあるので、長
時間、村へ戻れず、セーブ中断もできず、出口が見つかるまでほとんどイベ
ントもなく、通常戦闘ばかり続けざるをえなくなる。
 いくら面白い戦闘システムでも、1戦ずつにかなり時間のかかる通常戦闘
が連続しすぎると、さすがに疲れてくる。
 ドラマティックな状況で戦うボス戦こそが最も楽しく、盛りあがるのだ。
もっとボス戦の種類を増やして、通常戦闘量は減らすべきだったかもしれな
い。
 ストーリーはエピソードが少なく、何か物足りない気がする。せっかく、
ちゃんとした設定があるのだから、もう少し、物語をこまかく描写してある
とよかった。ストーリー展開による状況演出を背景にしたボス戦の方が、よ
り感情移入でき、戦闘の面白さが増す。通常戦闘では、ボス戦の代わりには
ならないのである。

(HP登録日 2006/4/9)
ソフト発売2002年1月備考なし

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