『改造町人シュビビンマン2〜新たなる敵』

発売日 1991年4月27日
定価 6600円
メディア Huカード
メーカー メサイヤ
内容  弾を撃って進むアクション。完全にシューティングに 
 なる部分もある。


 前作『改造町人シュビビンマン』は、ルート分岐や買い物要素があって、気楽
に遊べるアクションゲームだった。今回の『2』では前作のような全体マップや
買い物はなくなり、難易度もぐんと高くなっていて、コツをつかまないとすぐに
オームオーバーになる。ほとんど回復手段がないのに道のりがやけに長かったり
して体力がもたない。途中コンティニューはいくらでもできるが「え〜っ、ここ
からやり直しー? そんな殺生な〜!」と思わせるところもある。

 ボタンを押す長さによって、ジャンプの高さを調節できる。空中を飛びながら
の弾よけ、しゃがみ撃ち、ジャンプ撃ちなど、アクションの基本がしっかりつく
られている。アイテムを取りつつパワーアップしていくという要素はなく、ほと
んど実力勝負だ。敵の出現位置をしっかり把握し、できるだけダメージを受けず
に進む方法を見つけだすことが攻略のポイントである。
 この作品の特徴である溜め撃ち“シュビビーム”が、ゲームにうまく活かされ
ている。Iボタンでジャンプ、IIボタンで通常ショット。IIボタンをすこし長く
押すことでシュビビームを撃てる。親指でIとIIボタンをかわるがわる操作して
いると不利なので、Iボタンを中指、IIボタンを人指し指で同時操作する方法を
自然と使用するようになった。こうすれば、シュビビームを溜めながら走ったり
ジャンプしたりでき、有利なのだ。説明書にこの方法は書かれていない。プレイ
ヤーが自分でうまい方法をあみださないと、先へ進むのはむずかしい。私は2人
プレイでは遊んでいないが、2人で協力して撃つ“協力シュビビーム”というの
は楽しそうだ。2人プレイだと、ちょっとは難易度も下がるのだろうか。いや、
ひとつの体力ゲージを2人で共有するシステムだから、そんなに楽でもなさそう
だ。

 グラフィックはカード作品にしてはがんばっている。よく動く。キャラクター
がそれぞれいい表情をしていて魅力的である。特にボスのデザインはきれいで、
攻撃方法も楽しい。ただ、コンティニュー回数がハンパではないので、再開時に
再度デモを見ないといけないのはつらい。2回め以降は、とばせるようにしてほ
しかった。ポーズをかけても何も表示が出ず曲も止まらないので、ポーズしてい
るのかどうかもわかりにくい。曲はなかなか良く、ステージ途中で画面が切り替
わるときの曲のつなぎかたがとても自然に感じる。

 この作品の良さがわかりはじめたのはゲーム後半からだった。前半ではあまり
のむずかしさ、ゲームオーバー回数の多さにストレスがたまりまくり、「なんで
こんなにむずかしいんや!」と文句のひとつも言いたくなった。しかし操作に慣
れてくると、一見むちゃくちゃに見えるゲームバランスも、がんばれば突破でき
る計算された難易度なのだと理解できる。
 パスワードなどによるコンティニューはない。せっかくここまで来たんだから、
ここで電源切るのはもったいない、また最初からなんて冗談じゃない、こうなっ
たら絶対最後までクリアしてやる、と、だんだん意地になってくる。もはや電源
を切るに切れない。このままでは他のゲームで遊ぶことができない。何としても
クリアするしかないのだ。

 よほどアクションやシューティングの上手な人ならともかく、最後までクリア
しようと思ったら、気合いを入れて長期戦を覚悟する必要がある。電源を切ると
また一番最初からやり直し、というのはきびしい。一度はじめると長くなるので
気軽に遊べない。おもしろさがわかる前に嫌になってしまい、ゲームを投げだし
かねない。パスワードコンティニューがあってもよかった気がする(ステージご
とのコンティニューが親切すぎるなら、せめてゲーム前半・後半の間に)。これ
だけ攻略のしがいがあるなら、パスワードを設定してもバランスがくずれること
は、たぶんないはずである。
 前作とはちがったおもしろさがあり、何度も何度もゲームオーバーを繰り返し、
上達し、やっとのことですこしずつ進んでいく。骨のあるゲームだ。


'95 2/3 NIFTY-Serve FCGAMEM
     NECゲームマシン会議室 #1832(改稿)
                    (登録日 '97/1/29)
ソフト発売1991年4月備考なし