『バニラシンドローム』

発売日 1991年10月25日
定価 7000円
メディア CD−ROM
メーカー 日本物産
内容  アドベンチャー、トーナメント戦、フリー対戦の3モードが 
 ある2人打ち麻雀。アーケード版のアレンジ移植。


 麻雀ゲームにおけるポイントのひとつは、牌の質感がうまく表現されているか
どうかである。ツモる・捨てる・盤上に牌を置くときの感触、そして牌の材質感。
麻雀は牌を取ったり捨てたりするのが基本動作のゲームだから、ゲームバランス
以前の問題として、これらの点は案外重要なのだ。この作品では、カチッという、
牌どうしが接触したときの音がとてもここちよい。牌を動かしているだけでも楽
しいのである。牌やデータの表示も大きくて見やすい。たまに画面の端が切れて
表示が一部隠れてしまい、見づらくなることもあるが、十字キーで画面位置調整
ができる。

 モードは3つある。

●アドベンチャーモード
 異次元界に迷いこんだ主人公が、手がかりを知っていそうなキャラクターを次
々に訪ねてアイテムを入手、人間界へ戻る方法を探す。

 昔ながらのアドベンチャーのように、ある絵の一点をカーソルで指定、そこに
何かあればイベントが起こる。謎と呼べるほどの謎はないので、簡単に進める。
点棒による得点制でないのがおもしろい。役の大きさによって、得られる(取ら
れる)ニンジンの数が変わっていく方式だ。得点をためると裏技を使えるが、使
わなくてもちゃんとした勝負ができる。難易度は低い。
 女の子キャラは、「なぜわざわざそんな格好を?」と尋ねたくなるような挑発
的ポーズで出てくる。絵は同人誌的だが魅力があり、こまかく描かれているので
鑑賞のしがいがある。

●トーナメント戦モード
 アドベンチャーモードに出演しているキャラクターとトーナメント形式で戦う。
負けてゲームオーバーになると画面がそこで停止してしまい、リセットするしか
なくなるのは不便だ。CD−ROMなのだから再立ち上げに時間がかかることを
考慮し、モード選択画面へ移動してほしかった。負けるとまた最初からやり直し
となるが、3戦めで決勝戦なのでわりとカルい。裏技はなし。

●フリー対戦モード
 アドベンチャーモードに出てきた20人以上もの女の子キャラクターと、思う
存分対戦できる。それぞれ声や表情が違うので、気分をかえて遊べる。裏技なし。


 リーチがかかると曲が変化し、緊張感が演出される。効果音や曲が良質なので
気持ちよく打てる。キャラクターのしゃべりも、芸がこまかくて楽しい。気楽に
麻雀するのにいいソフトだ。

                    (登録日 '97/5/21)
ソフト発売1991年10月備考なし