ゲームミュージック 第五回 (’97/4/30) 

「交響組曲ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」

【ネタばれ注意】少々ゲーム内容に触れます。

 忘れられない思い出の一本がある。その作品の記憶は普段は心の奥に隠れてい
るけれど、それを呼び起こす「鍵」によって再生される。それが、ゲームミュー
ジック..つまり作品中の曲である。

★「交響組曲ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」(カセット)
      (アポロン音楽工業 価格不明(箱がないので☆) KLA1567)
 (あれ、このカセット、JISマークが入ってる)

 もはやゲームの説明は不要だと思われるけど、’88 2月にエニックスから
発売されたファミコンRPG。空前の大ヒットとなり、そのすごさは社会現象の
ひとつにまでなった。実際とても面白く、発売日の夜にはプレイに熱中するあま
り徹夜をした人が全国でかなりの数いたことは間違いない(私もそのひとり☆)。

 当時このカセットを買おうとして近くのコンビニエンスストアに置いてあった
のをレジに持っていったら(コンビニに音楽カセットがあるのは珍しいかな)、
なんとそれは予約済みの分だった(だったら店頭に置いておくなって(笑))。
 それで他の店を回って手に入れたのであるが、きっとこの音楽集はかなり売れ
たのだろう。内容も、買った人を裏切らない良い出来だと思う。オーケストラヴ
ァージョンなどは、さすがの仕上がり。

[A面](オーケストラヴァージョン)(約35分)
1.ロトのテーマ
 これぞ「ドラゴンクエスト」。「ドラゴンクエストのテーマ」と言い換えても
よいくらい。

2.王宮のロンド
 ほんとに「王宮」って感じがする。”クラシック”してるなー。

3.世界をまわる(街〜ジパング〜ピラミッド〜村)
 街..これ聴いてるとキャラが足踏みしてるのが目に浮かぶ。
 ジパング..日本ってこういうイメージなんだね☆
 ピラミッド..マラカス?のシャカシャカ..って音がいいな。
 村..あー、くつろぐ〜(笑)。

4.冒険の旅
 これは..フィールド上の曲かな。勇ましい感じ。オーケストラが合ってる。

5.ダンジョン〜塔〜幽霊船
 ダンジョン..はい、静かにねー..コトッとでも物音たてたらモンスターに
見つかるからね..そおっと、そ〜〜っっっと...ん?このへんにはひょっと
して敵がいないのでは?もうちょっと普通に歩いてみるか..(背後で笑ってい
るモンスター)。
 塔..塔って、ダンジョンより好きだな。
 幽霊船..この曲はちょっと調子がはずれてていいな。

6.鎮魂歌〜ほこら
 鎮魂歌..レクイエム。おごそかだなー。
 ほこら..ワープ時の音が、一緒に脳裏にこだまする..。

7.海を越えて
 航海してる感じが出てる。船って、手に入れるといきなり行ける場所が増えて
とまどってしまう☆

8.おおぞらを とぶ
 この曲を聴くとホッとする。曲名がひらがなのみ、っていうのがいいなあ。
(「大空を翔ぶ」よりも、のびのびした感じがする)
 ラーミアに乗ってると気分よかった。

9.戦闘のテーマ〜アレフガルドにて〜勇者の挑戦
 戦闘のテーマは、昔MSXで音楽データを打ち込んで、聴いてみたことがある。
(打ち込むのは大変だけど、完成後RUNを押して曲が流れる時の嬉しさは格別)
 アレフガルドのテーマはヒーリング効果がある☆ゲーム中で聴いた時には思わ
ずなつかしさで目がうるんでしまった(笑)。アレフガルドの曲の時に少し戦い
のテーマを混じらせるのがうまい。ゆっくりなテンポから一転して静寂をやぶる
最終戦テーマへの流れ。いいな。

[B面](オーケストラVer.(続き)+オリジナルヴァージョン)(約33分)
1.そして伝説へ…
 A面に入りきらなかったのか、最後のこの曲だけB面にまわっている。A面を
聴いて少し放心状態の後、気分切り替えてB面のエンディング。

2.ゲームオリジナルサウンドストーリー
 ゲームスタートから世界各地を回りながら、さまざまな効果音や曲をまじえて
エンディングまでを綴ったサウンドストーリー。オーケストラヴァージョンも良
いけれど、ファミコンの音も好き。普通こういう音楽集には収録されないゲーム
中のいろんな効果音や短い曲までが網羅されていて嬉しい。目をとじて聴くと、
その時の状況が浮かんでくる..。

 Aボタンを押すピッ、ピッという音。
 メッセージが流れる時の音。
 階段をのぼりおりするザッザッザッという音。
 「はい」「いいえ」ウィンドウ出現時の音。
 宝箱を開けた音。ワープした時の音。
 かいしんのいちげき。マホカンタ。敵をやっつけた。ルーラ。
 生きかえった時の曲。呪われた時の曲。宿屋に泊まった時の曲。

 ..愛すべき、愛すべき音の数々。



 ゲームミュージックのコンサートが開かれているのは嬉しいことである。将来、
もっともっと一般化して全国各地で当たり前のようにゲーム音楽のコンサートが
催されるようになったら素晴らしいだろうな(それまでは、おいそれと行けない
人はこういう音楽集を聴いて我慢..かな)。ゲーム音楽を流す喫茶店とか(今
でもどこかにあるのだろうか)、ゲームショップでもBGMをゲーム音楽にする
とか。それだけの魅力がゲーム音楽にはあると思う。

 私はロトシリーズでは、I もIIもそれぞれに好きなのであるが、このIII は特
別、個人的に思い入れがとても深い。

 この音楽集の中には”ドラゴンクエスト”がいっぱい詰まっている。
'93 10/25 NIFTY-Serve FCGAMER ゲーム音楽館 #477

■ソフト■
作品名『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(FC)
発売日1988年2月10日
ジャンルコマンドRPG
メーカーエニックス


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