【ゲームボーイ】 『ぬ〜ぼ〜』 |
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発売日 1992年12月11日 定価 3800円 メーカー アイレム 内容
森永のお菓子キャラクター「ぬ〜ぼ〜」が活躍する、
アクションゲーム。
箱・説明書・ソフトのタイトルラベルすべてが黄色で統一されていてセンスが
いい。黄色は目立つ色なので、遠くから見てもよくアピールする。
電源を入れると、最初に状況説明のデモが流れる。……ん? しばらく画面の
ぬ〜ぼ〜が動かない。試しに十字キーを入れてみる。わっ、動いた! てっきり
デモの続きだと思っていたので、少し驚く。ゲームはすでに始まっていたのだ。
ぬ〜ぼ〜を歩かせてみる。あはは、ちょっと重い感じはするけど(そのほうが、
ぬ〜ぼ〜らしい)、勢いよく手を振って、ぽてぽてぽて、と歩く姿が愛らしい。
とにかく、キャラの動きが超かわいい! ハッとさせる新鮮さに満ちている。
最初、このゲームはアクションだと思っていたのだが、どうやらこれは「周りに
あるアイテムを使って道を切り開いてゆくパズル的アドベンチャー」という感じ
に近い。
アクションゲームにたいていつきものの「ジャンプ」が、この作品にはない。
ちょっとした段差のところさえ、手をついてよっこいしょと上り下りするのだ。
「海に落ちて1ミス」「奈落の底へ落ちて1ミス」ということもない。危ない場
所への立ち入りを、ぬ〜ぼ〜はちゃんと拒否するのだ! えらいっ、かしこいぞ、
ぬ〜ぼ〜! 何の疑問もなく落っこちて1ミス、っていうのもある意味ぬ〜ぼ〜
らしかっただろうが、アクションのシビアさをなくすことで、ほのぼのした世界
観をみごとに表現している。(進むのを拒否するときのぬ〜ぼ〜の仕草はむちゃ
くちゃかわいいので、ぜひとも実際に見ていただきたい)
4つの絵(動物など)を組み合わせたパスワードで、途中からコンティニュー
できる。ファミコンの『ドラゴンクエスト』に代表される「復活の呪文」形式パ
スワード(ごちゃごちゃの字の集まり)ではなく、絵を使ったものなので「パス
マーク」とでも呼べそうなパスワード形式だ。
これは一見とてもわかりやすいように思われるが、じつはそうでもない。書き取
るときは、その絵を言葉に置き換えて書く。その絵(キャラ)が何なのかわから
ないときは、外見の特徴を書き留めるはめになる。誰が見てもそれとしか言いよ
うのないものならよいが、いろんな風に解釈できてしまう絵だと混乱してしまう。
このゲームで遊ぶ小さい子供は、その動物の名前を知らないかもしれない。
突然進めなくなったと思っても、注意深く背景を観察して推理し、アイテムを
うまく使えば、必ず道は開ける。“残機”の概念がないので「ミスで死ぬ」こと
に気をつかわなくていい。安心して遊べる。解きかたはひとつしかなくて一本道
なのだが、途中途中のぬ〜ぼ〜のリアクションがとてもチャーミングで面白い。
アイテムを取ると頭のうえに乗せる。一瞬、重さにぐっと耐える。高いところ
から布をパラシュートがわりにして飛びおりる。フワフワと着地。ホッピングで
ビヨヨン。棒を投げる。シュッ。バケツで水汲み。よいしょ。はしごをのぼる。
わっせわっせ。笛を吹く。ぴ〜ひゃらら……ひとつひとつの動作・表情に、まぶ
しくひかる魅力がある。すべてがとんでもなくかわいい。ボーッとしたぬ〜ぼ〜
のキャラクターが、非常にうまく描写されている。
いわゆる“キャラクターもの”であるが、細かいところまでていねいに創られ
ていて楽しめる。アクションゲームの爽快さはないけれども、やっていてじつに、
心なごむのだ。
'93 9/3 NIFTY-Serve FCGAMEM
ハンディゲームマシン会議室 #255(改稿)
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(登録日 '96/12/11)
巴かずみのゲームソフトレビュー
/KAZUMI TOMOE'S GAME-SOFT REVIEW
ソフト発売 1992年12月 備考 なし