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【ゲームボーイ】
『ベリウスII 復讐の邪神』
発売日 1992年2月21日
定価 3900
メーカー サミー(→メーカーホームページ
内容  主人公以外で合計7キャラクターから最大3人までを 
 仲間にすることができ、適宜入れ替えをしながら進ん 
 でいくアクションRPG。


 画面は、しいて言うならファミコンディスク版「ゼルダの伝説」みたいな感じ
(対ボス戦は「イース」っぽいかな?)。
 電源入れてタイトル画面。なかなか「おっ」と思わせる、タイトルロゴの出方。
タイトル画面が良い作品は中身も良いことが多いけれど(某巨大な例外RPGは
除く)、この作品も結構よく出来ている。
 まず文字が読みやすい。ゲームボーイにしては大きめの文字を使用してある。
グラフィックもいいかげんではなく、ていねいにきっちり描かれてあって良い。

 ちょっと変わっているのがレベルアップの仕方で、敵を倒しても”経験値”は
得られず、宝箱のレベルアップアイテムを取ることにより、キャラが成長する(
各キャラの顔が描かれたパネルが出現。効力はそのキャラのみ)。したくもない
戦闘をしなくてすむ。敵を倒すと回復アイテムなどを落としたりするので、ある
程度回復したらあとは無視して逃げまくることもできる(敵が道をとおせんぼし
てる時は別だけどね)。
 この、敵が落とすアイテム、一定時間たつと消えてしまうのだが、点滅なしで
いきなり消滅する。やっぱり点滅はしてほしいかなあ(なにしろ信号機が青から
突然赤に変わってしまうよーなものだから...黄色か、点滅はあった方が☆)。
あと、背景の障害物にアイテムが重なってしまうと取れなくなってしまう。どの
作品か忘れたけど、武器でアイテムをつっつくとグラフィックに重なっていても
取ることができるのもあったから、これもそういうふうだと嬉しかった。

 町の建物にはいっさい入れない。町の人は全員、建物の外に出ていてくれるの
で、いちいち出入りする必要がないのだ(笑)。HP回復してくれる教会の神父
さんまで外に出ている(ひょっとすると日光浴が好きなのかもしれない、このゲ
ーム世界の住人たちは)。

 セーブは2ケ所、いつでもどこでも(注:言うまでもないがボスと戦闘中は×)
出来るのが嬉しい(あ〜〜、ひっさしぶりのバッテリーバックアップ〜(笑)!
やっぱり楽でいいね☆ここんとこパスワードセーブの作品が続いたからなあ)。

 セーブすると今プレイ中のキャラクター名とそのレベルが表示されるのだが、
「主人公以外のキャラ名でもセーブできる→レベル差がついているのでどっちが
新データかわかりにくい」ことがある。レベルが低い方のキャラでセーブすると、
「セーブされてるレベル数が低い方が実は最新データ」なんて現象が出てくるの
である。セーブ・ロード時にはマップ画面が出て、今いる位置も確認できるよう
になっているが、位置なんかは”どっちがより新しいデータか”知るための確実
材料にはならない。やはりこれは主人公の表示のみに統一した方がよかったかも
しれない。まあ、自分で気をつけてればすむんだけど。
 セーブ終了すると自動的にピッ☆と画面が一つ前に戻ってくれるのは、なんか
嬉しい。

 効果音や音楽はちょっと耳にキーンと来る気もするが良い出来である(あまり
ボリューム上げてると、ちっとばかし”鼓膜にくる”か?(笑))。
 画面が切り替わって音楽がかわる時の雰囲気が好きだなあ。テンポがいい。
 HPとTP(テクニカルポイント、かな?説明書のどこにも、何の略か書いて
ないぞ。HPはわかるけど)回復アイテム取得時の効果音の微妙な違いが美しい
し、神父さんに話しかけてHP回復した時の表現も気にいった。

 主人公の名前入力画面は横一列にひらがな、カタカナがずらあ〜っと並んでい
て、カーソルを動かすとスクロールしていく。面白いな。ちゃんと「END」を
一番最初のところにもってきているのが、”外して”なくていい(というか、左
右どちらにでもスクロールできるのがいい。これがもし、右スクロールのみで一
番最後に「END」があったりしたら面倒(←まさか、こんな仕様にはしないだ
ろうが☆))。ちょっとしたところを”外さず”、不満をいだかせないのは良い
作品の特長である。


[☆8人のキャラクター★
*主人公(パラディン)
 主人公だけあってなかなか使いやすい。ここ一番の戦闘(対ボス戦)には頼り にできる(力押しだが)。
ピット(ハーフリング)
 TPを使用して爆弾を使う(爆発した時の効果がきれい)。でも、セットして 爆発する前にセレクト押してキャラクターチェンジしてしまうと、確かに爆弾を 置いたのに何事もなかったかのように爆弾が消えてしまうのは悲しい(もちろん 障害物もまだ破壊されていない)。しっかりTPは消費しているのにまる損だ。
エリーナ(プリーステス)
 金づちをぶんぶんと振り回す女僧侶。ヒール(自分と仲間のHP同時回復)が 使えるのは技が第二段階目に変化してからである。 (Bボタンでの特殊攻撃は最初に覚えているものが変化する。たいていはパワー アップするけど、第一&第二段階の両方使えるとよかったかなあ..TP消費の 差をつければ第一段階もムダにはならないと思うし)
ラバーン(ソーサラー)
 様々な職業・種族のキャラが出ている時、どうしても私が注目してしまうのが 魔法使いである。この人はなかなかいい性格をしていて笑える(お弟子さん、か わいそう。それでも、ついてゆくのね☆)。
タイロン(武道家)
 ”武道家”とかいうとドラクエを思い出してしまう☆(あ、あれは「武闘家」 だったかな?使ってあげなかったので忘れてしまった..)
カイル(ゾンビ)
 最初、出会えなくてボスだけ倒してそのまま通り過ぎてしまった(あんなにわ かりやすいところにいたのに..☆)。武器が「ハンドボーン(手の骨)」って のが凄い。「ロケットパンチ」だね、こりゃ。
メディア(エンジェル)
 天使、ってことで軟弱かなと最初は思ったけど、光のリングの攻撃力は侮れな い。ヒールも使えるので結構お得(ヒールは”変化”すると使えなくなっちゃう のがちょっと悲しい(ワープができるようになるけど))。
ゾルド(ダークナイト)
 何故だか「ドラゴンクエスト〜ダイの大冒険」のヒュンケルを思い浮べてしま う私..。彼の持つ魔剣「ダークブレイド」と対になる剣を持つ剣士と闘い、雌 雄を決する運命にあるという..え?ひょっとして、さっき(主人公が)倒した ボスがその剣士だったの??ごめん、知らなくて☆(そいつ倒した後で仲間にな ったんだもの>ゾルド)悪いことしちゃったかな..でもゾルド見つけるより、 ボスのところにたどりつく方が先だったんだもの〜☆(彼の宿命って、一体..)  ステータス画面には各キャラの顔イラストが出ている。ちょっとアクがある絵 ではある(はっきり言って、カイルとゾルドの絵はこわいぞ。メディアはケバい ぞ(笑))。武器などのイラストも出ていて、これにちゃんと影がついてるのが 良いなと思った。  複雑な謎があるわけでなく、ボスもアイテムを使用すれば力押しがきくので、 行き詰まることはおそらくないだろう。だけどマップがちょっとだだっ広いかな ー?とは思った。そりゃ、魔法陣(ボスのいるところへワープ)を、町から2〜 3スクロールくらいのところに配置しろとは言わないけど、歩いていくのが少し 大変。特に序盤は帰還アイテムがないので途中でひきかえすのがひと苦労だった。 (帰還(ワープ)アイテムは貴重品なので、入手しても気軽に使えない)  HPがゼロになると神父さんのもとへ強制送還されるのだけど、これがお手軽 な帰還方法、ってのがなんだかね★(「お金」「経験値」が存在しないのでこれ らが「減らされる」心配はない。レベルもそのままで、ペナルティは無いのだが ...やっぱり気分的に嬉しくない)  キャラの操作は多少、重いかもしれない。小回りがききにくい。小ボスはよく 見れば確かに動きなどそれぞれ違うのだろうが、どれもそれほど大差なく、個性 はあまり感じられなかった。とにかくほとんど一定場所で(かえって動き回らな い方がよいような気がする)ボタン連打&キャラ交代&HP回復、をしていれば 決着がついてしまう(ラストボスは、さすがに強いが。連打の勝負..手がつる ぞ〜〜!)。相手のパターンを読みながら戦略的な闘いを楽しむ、というボス戦 ではない。  それとたまに、突然Gがかかったような状態になる(世界が急にスローモーシ ョン☆動きにくい〜)。  エンディングは、FCの「ファイヤーエムブレム」のと似ているなと思った。 (すべてのキャラでクリアしてみた...ワープ手段がないと仲間を集めるのが 徒歩になり、ちょっと大変)何故かスタッフロールは出なかった(たまに出ない 作品があるけど、どうしてだろ?)。  この作品も御多分にもれずRPGで非常によくある設定を使っている。即ち、 「いちどは倒したはずの悪の親玉がまた復活し、世界が大ピンチ!さあ、勇者よ、 たちあがるのだ!」..というヤツである(まったく、今までに出たRPGで、 この設定使っているのが全体の何パーセントくらいあるのか一度統計をとってみ たいもんである☆(半分以上あったりして))。  まあ、設定は少々ありきたりでもゲーム内容さえ面白ければいいんだけど(こ の作品は、合格点ではあると思う)。それにしても、次々と仲間を替えていき、 小ボスを倒し...を続けているとやっぱりふと、最終目的が何だったかわから なくなってる自分に気づく。そこで確認のために説明書を読みなおすと「ああ、 やっぱりこの設定か」とちょっとがっくりきたりはする。  説明書はわりとわかりやすく、読むと「おっ、面白そう☆」とか思えるのだが 誤植箇所がいくつかあった。惜しい。  特に斬新な試みがあるわけではないが、それなりに遊べる作品だ。
'93 9/24 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ハンディゲームマシン会議室 #290
(登録日 '98/4/22)
ソフト発売1992年2月備考なし

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