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【ファミコン】
『ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団』
発売日 1992年10月23日
定価 7800円
メーカー バンダイ(→メーカーHP
内容  ガンダムのキャラなどを設定に使ったRPGシリーズ 
 第三作め。


注:ネタばれ内容を含みます。

 電源を入れた途端はじまるオープニングにひき込まれる。今回の主人公はクラ
ウンナイトといって、MS(モビルスーツ)王キングガンダムの息子である。
(ミハルとかカイとかガルマとか、えらくなつかしいキャラ名が出てくるけど、
さっぱり知らない名前も多い。今回はフォーミュラとかも出てくる)。

 ”ガンダム”という設定でよくぞここまでいろいろ考えつけるものだと毎回感
心しているのだが、今回はちょっと気になることがあった。「ファイナルファン
タジー」シリーズを妙に連想させるのである。青いウィンドウに白い文字、とい
うのは前作もそうだったのだが、他に独自のアイデアが満載だったのでそんなに
ひっかかるほどではなかった。が、今回は、魔法は買うことで使えるようになる
(名前も”フレア”だの”デス”だの”スロウ”だの”レイズ”だの、オリジナ
リティが感じられない)。それと戦闘終了時に鳴る”戦闘終了よかったね”の曲
とか、いかにもF・Fっぽい。

 毎回おんなじ名前の魔法だったりシステムだったりすると飽きるから変更した
のかもしれないけど、ちょっと私には残念に思えた。シリーズものとしてやって
ゆくなら、独自の路線を築くべきではないだろうか?(このシリーズのスタッフ
さんなら、それが可能なはず。それともメンバーが入れ替わってしまったのだろ
うか?)私はこのシリーズが気にいってるだけに、超大型RPGの二番煎じもど
きのような作品にはなってほしくない。

 あと、ゲームバランスがちょっと意地悪になった。今回はレベルアップしても
HP、MPは自動回復しない。少し進むと敵が強くなってやられる。しかも最初
は魔法を唱えられるキャラがいない。フィールドから町へ帰還するアイテム(魔
法)が存在しないので、重体の者をひきずりつつ逃げかえろうとするも全滅をく
らう。..いや、これがおそらくは”普通のRPG”というものなのかもしれな
いが、前作の流れるような冒険と比べるとどうにも不満に思えてしまう。
 レベルアップなんか気にしないで自分の果たすべき目標に向かってゆけ、必要
な強さは気がつくと身についている、というのが前作であった。今回のはキャラ
が重体(戦闘不能)になりやすく、しかもそれをカバーするアイテム、魔法が充
分でない。謎もちょっとややこしくてまどろっこしい(なんとか自力で解ける範
囲内ではあるけど、行き詰まりやすくなってる)。

 昼夜の区別や時間の概念が導入された。昼と夜とでは人々のしゃべることが違
ったりする。ちゃんと暦が表示されていて、どんどん時間が過ぎ去っていく。電
源入れてはじめる時に、今までの経過を年表で表示してくれるのは面白い。

 戦闘はわりとテンポがよい。曲もなかなかだし敵を1匹倒すごとに「まずひと
り!」「これで みっつめ!」などというセリフが出るので臨場感がある。HP
がゼロになると戦闘不能になるが、そういう時でも戦闘時にセリフをしゃべった
りするので(リーダーの場合)、「お?こいつ、元気なのか?」なんて思ってし
まう。必殺技を使うとキャラのアニメが出る。対ボス戦の時などは迫力が出て楽
しいのであるが、通常の戦闘時も必殺技をどんどん使わないと誰かが重体になっ
てしまいやすいのでほとんど毎回アニメになる。ちょっとうっとーしい。アニメ
ON・OFFが指定できるとよかったかな(あるいはボタンで早送りするとか(
←これでもうっとーしいけど☆))。夜の戦闘は背景に星が出てたりしてきれい。

 また、MPがゼロになると”きぜつ”するのだけど、うっかり魔法や必殺技(
魔法の使えないキャラにもMPがあり、必殺技を使うと消費していく)を使って
しまってキャラがぶっ倒れてしまうことがある。ちょうどぴったりの数値のMP
が残ってる時にこうなる(戦闘中だとなかなか悲惨☆)。”きぜつ”するとその
キャラは自動的に隊列の後ろに移動させられるので、また順番を入れ替えてやら
なくてはならない(バックアタックがあるので弱いキャラは常に真ん中に置く)。
どれがどのくらいのMPを消費するかなんていちいちチェックしていないから、
ここはやっぱりコマンド指定時に「きぜつしますがよろしいですか?」とでも聞
いてほしいものである(笑)。

 音楽は今回もファミコンのBGMとして良い出来で、なかなか聴かせる。特に
中ボス戦の曲が好き。

 このゲームにはたくさんの仲間が出てくるので、1パーティーに収容しきれず
途中で2隊に分離する。フォーミュラ指揮のパーティーの初期メンバーはたった
の三人。”ゼ○○のようさい”では結構苦労した(フォーミュラが、パーティー
編成時に「三人でじゅうぶん」なんて大見栄きるけど全然大丈夫ではない☆)。
全戦闘に”きあい”を込めてなんとか突破したけど、途中で扉が閉まってしまい
戻れなくなるところがあるので誰か重体にでもなろうものなら(←これが、なり
やすいんだな、また)途端に全滅する。ダンジョン脱出のアイテム(魔法)も使
えないので、ちょっと苦しい。ゲームラストの方なんかでも、弱いままでセーブ
されてしまうと戦闘は長くつらいものになる。

 「ダンジョンから外へ出るアイテム(魔法)はあるが町へ飛び帰れるのはない」
というのは不便。おかげで「弱いキャラが重体」→「町へ帰るのに時間がかかる
(その間、倒れているキャラに経験値は入らない。復活のアイテム&魔法も最初
の方には無い)」→「弱いキャラのレベルアップがますます遅れる」という悪循
環におちいる。
 テレポートの魔法(ダンジョン脱出専用)が使えるようになったと思ったら、
まっさきに戦闘不能になるのがそれを唱える魔法の使い手だったり、ダンジョン
脱出アイテムの効果が消される場所もある。

 今回は武器屋などで武具を買うのでなく、宝箱に入っている”ガンダリウム”
というアイテムと金貨を消費して、あらかじめ装備しているものを”かじや”で
パワーアップさせる。”かじや”では「(武器などを)鍛えるか?」→「誰のを
鍛える?」→「何を鍛える?」→「費用はこれだけかかるけどいいか?」という
順番で質問して来るが、肝心のガンダリウムが無いと「何を鍛える?」の後に「
ガンダリウムが無いから駄目」とくる。ガンダリウムをいくつ持ってるかなんて
チェックしてないから、無い時は一番はじめから「駄目」と言ってほしい。質問
にいくつか答えてから「駄目」と言われるのはちょっとムッとくるぞ(笑)。

 ある意味では一般向けに洗練された?作品となったのだろうが、前作と”何か”
違ってしまったような感じがする。何といったらいいのか、いわゆる「フツーの
RPG」になってしまった、というような..。もちろん今回もいろいろ面白い
アイデアとかはある。けれど前作までは何か妙に”どこか違う新鮮さ(個性)”
を感じさせてくれたものだった。3も結構面白いし、グラフィックや音楽も良く
非常に遊べるRPGにはなっている。だけど..(私の言っていることはとても
贅沢な文句なのかもしれないな)。

 キャラクターがたくさん出てくるけど、やっぱり1人1人にあまりスポットが
当たらないのが残念かな。そのキャラの性格がよく出てるエピソードをからめた
イベント、というのが私は好きなんだけどな★キャラの中ではレッドウォーリア
(このヒトは笑わせてくれる☆)とガンタンクR(右手にプラスロッド、左手に
マイナスロッド、そして鎧はスピリットガード。いいなあ、このセンス)が好き。
主人公はもう少し個性的でもよいかも...。
 魔法の使い手がはじめの方で出てこないのはちょっとつらい。でもまあ、後の
方がありがたみがよくわかるということかもしれないけど。10人以上いる円卓
の騎士のうち魔法が使えるのは2人である。しかも1人あたり6つしか魔法を持
てないので全部の魔法を使うことがない(アイテムに予備として持ち、適宜交換
することもできない)。パーティーが途中で分離する時、魔法の使い手を1人ず
つバランスよく分けたかったのだが最初は2人とも同じ隊に入ってしまったり、
魔法使い用のお得アイテム”ひすいのゆびわ”を長い間持たせることができなか
ったりしてもどかしかった(←いちど別パーティーに別れてしまうと次の機会ま
で同じメンツ、かつアイテムの相互受け渡しもできない。自動セーブされてしま
うのでやり直しがきかない)。

 隊のリーダーが戦闘不能になると悲惨である。戦闘時、”にげる”を選ぶ暇も
与えられずいきなりオートバトルになり、「ただボーッと見てるだけ」状態にな
る。いかにリーダーが大切かを思い知らされるのはこの時である(笑)。

 重体になったキャラはSHOPにいるお医者さんの注射1本で治ってしまう。
注射を打つとキャラが「イタタ」と言うのがかわいい(しかし..モビルスーツ
に注射を打てるのか??ダイヤの針かもしれないな(笑))。できればこの注射
をアンプルにして冒険中に持ち歩きたかった(そうすればあんなに苦労しなくっ
てすむのにね〜)。SHOPでの買物はとてもしやすい。

 カードダスバトルはストーリー中にはいっさい出てこず、完全におまけとなっ
た。今回は4枚カードを引いて3枚選び、ボーナスポイント(麻雀ゲームで牌を
ツモった時に得られるパワーポイントのよーなもの)を使ってお助けアイテムを
補助につける、といった感じで、前作よりは戦略性が出ている。バトル開始前に
出るキャラの動きがかわいいけど、バトル画面は2のやつの方が好きかなー。

 セーブがひとつしか出来ないのはちょっと不安になる(新しくゲームを始める
とそれまでのセーブデータは消えてしまう)。
 このゲームには早解きキャンペーンというのがあって、抽選で(あれ?先着じ
ゃないの?(笑))テレカが当たる(締め切り’92 11/30...すでに
過去だな☆)。私のゲーム終了日付はザビロニア暦8年5月、”プレイ評価”は
「ナイト・クラス(←これっていいのか悪いのか..どうなんだろ)」。


☆あちこちの町・村などでちょっと思ったこと☆
ノース)人間とモビルスーツ族がケンカしていた原因がとりのぞかれた途端、 手のひらを返すようなこの態度の変わりよう。..なんかひっかかるぞ(笑)。 (アイル)宿屋に泊まっても音がうるさくってMPが回復しない、というのが面 白い。
☆アイテムその他☆
*「あ○○のつ○○き」...どんなにすごいアイテムかと思ってボス戦(より によって!)で使ってみれば...。か、悲しすぎる〜(涙)。超凶悪。自爆用 アイテムかな、これは。 *「めいばのたてがみ」...2では馬は超重要だったけど、今回のこれは一体 何に使うのかわからなかった(何だったんだろう?)。  なんやかんや言っても楽しめる出来ではある。前作と比べさえしなければもっ と、ほめているだろう(”私は前作までの雰囲気がとっても好きだった””今回 のはなにかが違う”というだけのことで、この作品自体はよく出来ていると思う)。
'93 8/20 NIFTY-Serve FCGAMEM
     ファミコン&スーパーファミコン会議室 #160
(登録日 '98/7/15)
ソフト発売1992年10月備考なし

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