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【ニンテンドーDS】
『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』
発売日 2009年10月8日
定価 6279円
メーカー アトラス(→メーカーホームページ
内容  「デモニカ」と呼ばれるスーツを着てレベルアップさせながら、
 悪魔召喚プログラムで悪魔を仲魔にして進む3Dフィールド・RPG。 

■リアル「ハンドヘルド・コンピュータ」の女神転生

 「地球の南極に発生したエリア“シュヴァルツバース”の調査員」が、今回
の主人公。前作『真・女神転生III −NOCTURNE』の序盤の展開にも驚かされた
が、今回はもっとスケール大きく、主人公たちの行動に人類の存亡がかかって
いる。
 このシリーズが他のRPGと違うのは、「戦闘相手として出現する敵と会話
して、仲魔にすることができる」点だ。あるエリアを出来るだけ長くうろつか
せて悪魔との遭遇回数を多くするために、マップには落とし穴やワープポイン
トなどがたっぷり仕掛けられている。それだけでなく、今回は調査員という役
柄を活かし、同じマップを何度も移動する単調さを緩和するアイデアが盛り込
まれている。「フォルマ探し」と、「隠れた敵探し(エネミーサーチ)」だ。
 近くにフォルマ(アイテムを製造するための材料)が落ちているのを発見し
たら、その地点へ行って拾う。こうした「余分な寄り道」は、マップの新鮮さ
を保つ効果がある。悪魔と会話できるとは言っても、すでに行ける場所はすべ
て行ったエリアを何度も移動するのは、やはり少々退屈だから。
 さらに、特殊アイテムを入手すると、隠された扉や門を通れるようになり、
レベルが上がっても、以前のエリアへ再び出かけて、そこにしかいない悪魔と
何度も出会う機会が作られている。強くなってから行くと、以前戦った敵が弱
く感じる。その違いも味わえるよう、(合体の組み合わせを豊かにするために)、
段階的に構成されているのがうまい。

 ただ今作で唯一、バランスが甘いと思ったのは、「エネミーサーチ」戦で得
られるフォルマが高額すぎて、所持マッカが増えすぎてしまうこと。
 悪魔全書でコストの高い仲魔を呼び出すには、かなり多くのマッカが必要だ
し、戦闘で大量のマッカを奪っていく者もいる。マルチ・エンディング後の2
周めが楽になるように残しておく計算もあるのだろう。が、それらを考慮して
も、得られるマッカが多くなりすぎる。
 「エネミーサーチ」戦の敵は、味方が強くなれば自動戦闘でも勝てるし、遭
遇回数も多い。簡単に大量のマッカを入手できてしまうのは余裕がありすぎて、
サバイバルな雰囲気が少々損なわれる。マッカのためにフォルマをせっせと集
めなくてもいい、悪魔と交渉しなくてもいい、ということになり、他のシステ
ムが充分、活きなくなる。フォルマの種類はかなり多いので、1個の処分単価
を下げるか、入手量を抑えるべきだったと思う。

 「マップのすべての場所を通る」踏破レコードや、「何回、悪魔からアイテ
ムをもらったか」などの「実績」を達成する目的もあるため、実績達成を意識
して動けるのは良かった。サブ・クエストのEXミッションも用意され、少し
ずつ達成感を味わいながら進むことができる。
 今回は、いちいち「邪教の館」まで戻ることなく、仲魔にしたその場で合体
させることができるようになったので、しばらく帰還せずに長く探索に集中で
きる。携帯機なら、どこででも少しずつプレイでき、セーブできない状態でも、
DS本体を途中スリープして休憩できるのが利点。DSが、リアル「ハンドヘ
ルド・コンピュータ」(小型携帯端末)になるのだ。
 このシリーズ独特のダークな世界観と、個性豊かな悪魔たちに接する“旅
(JOURNEY)”は、「悪魔召喚プログラム」をじっくり堪能できる長さと、密度が
ある。

(HP登録日 2009/12/30)
ソフト発売2009年10月備考感想

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