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【ニンテンドーDS】
『ポケットモンスター ホワイト』
発売日 2010年9月18日
定価 4800円
メーカー ポケモン(→メーカーホームページ
内容  コマンドRPG『ポケットモンスター』シリーズ、DSでの2作め。 
 登場ポケモンが一部異なる『ポケットモンスター ブラック』も同時発売。

■「ゆけっ!」「戻れ!」命令する楽しさ

少年サトシと、ポケモンのピカチュウたちがポケモンバトルをしつつ旅する物語。
TVアニメや映画でかなり有名になったポケットモンスター(略してポケモン)。
登場モンスターのかわいらしさと個性が魅力。いろんな種類がいて、『ホワイト』
では好きなのを6匹、連れていく。野生ポケモンを戦闘で倒すだけでなく、弱らせ
てモンスターボールの中に閉じ込めて捕獲し、仲間にする独特のシステム。
捕獲したポケモン、出会った(情報を聞いた)ことのあるポケモンは、図鑑に登録
される。

ポケモンを手に入れ、バトルで戦わせて育てる人を「トレーナー」と呼ぶ。各街に
いるポケモンジムのリーダーと戦って勝つと、ジムバッジを入手できる。ジムバッ
ジを集めるのが目的のひとつ。このへんはTVアニメと同様の展開だが、『ホワイ
ト』の主人公はサトシではなく、男主人公と女主人公のどちらかを選ぶ。
キャラクター音声はないが、ポケモンの声は効果音入り。さまざまな技があり、レ
ベルによって、同じポケモンでも使える技が異なる(すべての技を使えるわけじゃ
なく、4つまでなので。5つ以上になったら1つ消して新しいのを覚える)。

DSのタッチペンで技をタッチしていく簡単操作。選べる技は1匹につき4つしか
ないので、画面をスクロールすることなく、技を出せる。
アニメのように(ゲームの方が原作なのだが)、ポケモンが入ったモンスターボー
ルを投げるとポケモンが出てきて、技を指定して戦闘させる。
自分のポケモンが弱ったら回復アイテムを使うか、控えポケモンと入れ替える。
主人公にレベル設定はなく、ポケモンにレベルと能力がある。ポケモンの強さが、
主人公のポケモントレーナーとしての強さになるが、ポケモンの属性強弱・技内容
を覚えることも、トレーナーの強さになる。ポケモンのレベルが高くても戦い方が
まずいと勝てないし、相性の強弱を把握してないと負ける。

2対2のダブルバトル、3対3のトリプルバトルも少しあるが、基本的に1対1の
戦闘。シンプルなシステムだが適度な手ごたえがあって、戦う楽しさをしっかり味
わえる。戦闘曲も良い。
戦闘量は多く、遭遇率もかなり高め。「何百歩進むあいだ、弱い敵との通常戦闘が
発生しないようにできるアイテム」も用意されている。しかし、それだと敵と遭遇
せずに進めてしまうので、「逃げる」の連続で進めないように、あちこちに強制バ
トルキャラが多数配置されている。

■早すぎるクライマックス?

メイン・ストーリーのエピソードが一段落し、スタッフ・ロールが流れた瞬間思う
のは「もう終わり!?」。
8つもジム戦(街)を回ったし、その後も手ごたえある戦闘があり、たっぷり戦闘
はこなしているのだが−−定価5000円ほどのソフトだと、そんなにボリューム
を増やせないのだろうか。
短く思える原因は、ひとつのジムにかかる時間が短めなこと、全体マップでまだ行
ってない場所がかなり残っていること、一緒に旅を始めた友人2人が少ししか描か
れてないこと、戦闘が比較的楽勝なこと(メインストーリー序盤&終盤以外)。

スタート時にもらったポケモンが強い。出ずっぱりだと、レベルがどんどん上がっ
て、野生ポケモンやジムリーダー戦のポケモンとのレベル差が10〜20もついて
しまう(ジムリーダー戦までの相手ポケモンは、レベル40未満)。
おかげでジムリーダー戦で最後に出てくる強いポケモンですら一撃で倒せてしまい、
少々あっけなかった。

もっとも、ジムリーダー戦の後の戦いは、レベル差がかなりあっても戦いがいのあ
る難易度で楽しかった(回復アイテム使いまくって、ようやく勝利)。
スタート時にもらったポケモンも万能ではなく、弱点属性・一部の技は苦手で、同
属性だと効率が悪いので、他の5体のポケモンを入れ替えて戦っていく。
レベル差があっても属性強弱の有利・不利がかなり影響する。

回復アイテム以外に回復手段がほとんどないため、回復技を持ってないほとんどの
ポケモンは、戦闘中に回復アイテムでしか回復できない。移動時も、他のRPGの
ように回復魔法をかけることができない。
HP回復はアイテムで可能だが、PP(技を使える回数)を回復させるアイテムは
店で大量買いできないので、PPが減ってきたら他のポケモンに戦わせるか、回復
場所へ戻る必要がある。
ポケモンに覚えさせた技を使うことでしか進めない場所も多々あり、複数のポケモ
ンを使い分けるようになっている。

ポケモン図鑑を完成させるのも目的のひとつだから、メイン・ストーリーをクリア
しても引き続きプレイできるようになっていて、よりレベルの高いポケモンとの戦
いが続く。すでに行ったことある場所ばかりだと新鮮さが薄れるから新しい要素を
楽しみつつ図鑑を完成させていくのはいいのだが、メイン・ストーリークリアまで
がもう少し長いとよかった。
物語には普通、「起承転結」の流れがある。「起(物語の始まり。序盤)→承(話
が発展していく)→転(ボス戦)→結(終了)」。
このゲームの構成は「起転結承」という感じで「起」の次の「承」の描きこみが不
足していて、「承」のボリュームが後ろに来ている。

レベル80以上まで設定されたポケモンをメイン・ストーリーに含めてゲームバラ
ンス調整するのは大変だから(プレイヤーも、そこまでプレイするのは大変だが)
省略した、という感じ。
しかしやっぱり、最後の方でメイン・ストーリーの勝負に勝ってクリア! という
順番でないと、スッキリしない。

(HP登録日 2016/4/7)
ソフト発売2010年9月備考なし

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