『スウィートホーム』

 山城新伍主演の同名映画を元にしているらしい
が、映画のほうは観ていない。「スウィートホー
ム(楽しい我が家)」というタイトルから、ほほ
えましい家族愛を描いたゲームだと思ったら大間
違いだ。ある屋敷に閉じ込められた人々。館内に
は化け物が徘徊しており、協力して脱出の方法を
見つけださなければ死ぬ。一度死んだら二度と復
活しないため、嫌でも緊迫感が増す。

 単に他メディアのネームバリューに頼っただけ
のゲームとは違い、非常によく出来ている。ファ
ミコンで、ここまで恐怖させられたゲームは他に
なかった。マジでこわいのだ。謎解きは少々難し
かったが、頭を使ってヒントを見つけだしていく
過程が大変面白い。最後に何人生き残るかで結末
が異なるマルチエンディングになっており、その
終わり方がまた……ゾッとする。演出および表現
力の高さが光る逸品である。

   →1989年12月