『R−TYPE I』

 PCエンジンというハードの実力、そしてハドソン
の移植技術レベルの高さを世に知らしめた作品。容量
の都合から、IとIIに分割して発売された。IからII
へは、パスワードで状態を持ち越せる。曲の音の響き
がちょっとさみしいかなという気もするが、曲自体が
大変良いので、それほど気にならない。グラフィック
は上出来で、進んでいくと背景がうっすらと浮かびあ
がる場面、心臓型ボスがドクドク脈うつ様子、背景の
光の点滅などを見ていると、もうクラクラしてしまう。
(私は、アーケード版ではたいてい1面どまりだった
ため、その先の面は見たことがなかった。巨大戦艦が
出てきたときには、「え? こんなのどうやって倒す
の?」と驚いた)

 私の力ではIの途中までしか進めなかったが、弟は
IIのラストまでクリアできた。ムダのない紙一重の動
きで敵弾をよけ、フォースを使いこなして敵をきれい
に一掃していく。その華麗なプレイの流れは感心する
ほど芸術的で、自称“シューティングの鬼”というの
も、うなずける(笑)。(ひとつの面をクリアして次の
面に切り替わるとき、画面が少し止まってプレイヤー
の操作がきかなくなる。その瞬間をねらって波動砲を
ドシュンと撃ち、波動砲が静止した記念写真のような
カットにするのが弟は好きだった。つまり、それほど
余裕があったということだ。IIの後半では少し苦戦し
ていたが☆)
 Iの終わりはどうなっているのかと思ったら、ちゃ
んとエンディングが用意されていた。くるくると回転
しながらついてくるフォース(かわいい)が一時離れ
ていき、静かに帰還する。雰囲気がとてもいい。

   →1988年3月