『魂斗羅』

 「コントラ」と読む。暴走族のスプレー落書きのよう
なタイトルだが、暴走族が暴れまくるゲームではない。
地球を侵略する魔物を倒すべく、硬派な2人の男が銃を
かまえて戦う、正義感あふれるアクションゲームである。

 曲のノリが良く、2人で協力して進んでいく2人同時
プレイがとても楽しい。ステージは横(縦)スクロール面
と3D面が交互に展開する。縦スクロール面では、一人
が先に画面上部へ上がりすぎると強制的に画面が上へス
クロールし、下のほうにいたもう一人は無残にもスクロ
ールにはねとばされて1ミスとなる。どちらか片方が先
走るとミスにつながりやすいので、味方にあわせ、連係
して動く必要があるのだ。
 3D面では、前方からゴロゴロ転がってくるトゲトゲ
つきの鉄棒(?)を、うまくジャンプでかわしながら進む。
私はこれをよけるのが下手くそで、いつも足をはさまれ
てミスっていた(「来るぞ、来るぞ」とわかっていても、
いざ跳ぶ段になると跳びそこなってしまうのが情けない。
だいたい、私は“タイミングを要求される動き”という
やつが苦手である。小学生の頃に近所の子とやったゴム
とび(チョンパ)や、団体なわとび(うどんこ)など、
よくひっかけて失敗したものだ)。

 アクションのうまい弟と違って、私は面の最後に登場
するボスとの戦いまでに残機を使い果たしてしまうこと
が多かったため、しばしば、ひとりきりでボスと戦う弟
のプレイをただ眺める傍観者と化さざるをえなかった。

−−3D面で、あと残機が1しかない状態−−
私:(一緒に2人プレイをしている弟に向かって)
  「おーしっ、今度こそは絶対よけてみせる! 私も
   たまにはボス戦に参加したい! これだけ何度も
   失敗してまたミスったら、もうバカだもんな!
   なーに、コツはつかんだ! いける!」

ゴロゴロゴロ……(転がってくる鉄棒)
私:「跳べえっっ」

ツッキューン!(私のキャラだけがはねとばされる悲しい音)

私:「……あれ?」
弟:「……何やっとんの?」

 それでも、とても楽しめたゲームである。

   →1988年2月