『殺意の階層』

 推理アドベンチャー。はっきり言ってグラフィックは
ショボい。しかし私は、この作品から軽い衝撃をうけた。
 事件を解決して、ちゃんとエンディングも見たという
のに、どうも何かがひっかかる。心のなかのモヤモヤの
正体を確かめるために、気になった箇所を再度プレイ。
すると、隠された事実が浮かびあがった……!

 巧妙に仕掛けられた、ひとつのトラップ(罠)。注意
していないと真実を見落としてしまう。目の前に現われ
ている表面的なことにとらわれず、よく見て自分の頭で
考えることこそが大切なのだというメッセージを込めた、
開発者からの“見えない挑戦状”。その存在に気づかな
かったプレイヤーも、いたに違いない。

   →1988年1月